要件を言おうか

マックで働くフリーターの備忘録

マクドナルドが業績不振に陥った本当の理由

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昨日このようなエントリを見かけました。

 

toraneko.hateblo.jp

 

出虹 (id:idenizi)さんという方のエントリ。

簡単に言ってしまえば、マクドナルドが復活するためにはモスと提携してモスから学べという内容。

しかし、マクドナルドの裏も表も知り尽くしてる自分からしたら、このエントリで提案されている施策とやらは看過できません。

だから、本日は出虹さんのエントリに対する反論を書かせていただこうと思います。

別にこの方に恨みはないし、怒ってるわけではありませんが、如何せんマクドナルドに関して間違った認識が広がるのは嫌なので今回筆を取った次第です。

 

 

莫大なコスト手間をかけて野菜を全て国産にするとことは現実的に限りなく困難

 

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出虹さんはマックが復活するには、モスのいいところを真似るべきだと強く主張しています。

その一環として、マックで使用している野菜をモス同様100%国産にするべきだと言っています。

食品の安全問題で不信感が広がっているマクドナルドが、野菜を全て国産にしてしまえば確かに安心感が広がり、確かに一定の効果は望めると思います。

しかし、野菜を全て国産にするべきだと簡単に言ってくれますが、現実問題それはかなり難しいでしょう。

何故ならマックは全国に3000店舗を構えており、モスとは規模が一回りも二回りも違うからです。

野菜を全て国産にする場合、3000店舗全てでそれを導入しなければいけないため、コストも莫大なものになるし、何より国産の野菜を提供してくれる供給先の確保も一苦労でしょう。

マクドナルドは巨大な組織故、こういう時に小回りは効かないのです。

いわゆるスケールデメリットというやつです。

そしてそれだけの手間とコストをかけたのに対し、果たしてそれ以上のリターンが見込めるのかといったら、些か疑問符が付くと言わざるを得ません。

そもそも多くの人が勘違いしていますが。実は今マクドナルドがするべきことは信用と安全の回復を図ることではないのです。

まず前提としてマクドナルドは異物混入問題や、チキン問題など、食の安全が大きく失わたから、業績不振に陥ってるとされがちですが、実はそうではなく、マクドナルドの崩壊は2004年から既に始まっていたのです。

マクドナルドの再建を考える上で一番大事なことは、そもそもマクドナルドが失速した本当の理由を知ることにあるのです。

 

マクドナルドが低迷してる理由は食品の安全が揺らいだからじゃない

 


 上記はだいぶ前のエントリですが、マクドナルドが低迷した本当の理由を書いています。

読んでない人のためにもう一度書きますが、マクドナルが低迷し始めたのは2004年からです。

2004年はマクドナルドにとって大きな転換期となった時期です。

それまで日本主導で運営されていた日本マクドナルドは、2004年を期に米国主導に切り替わったのです。

そして原田泳幸が日本マクドナルドの代表取締役に就任しました。

原田泳幸はここで、「マクドナルドの基本に立ち返る!」と宣言をします。

経営が苦しくなったときは、初心に帰るのが一番というのが原田泳幸の考え。

これには僕も納得するところでありますが、しかし原田氏は日本の基本ではなく、米国の基本に立ち返ろうとしたのです。

これがそもそもおかしな話。

何故なら日本マクドナルドは、米国の意見を全て無視し、日本独自のやり方でこれまで成功してきたのに、何故日本の基本ではなく、米国の基本に合わせようとするのか?

日本マクドナルドは日本マクドナルドであって、米国マクダーナルズではないはず。

米国の基本に立ち返る意味がわかりません。

立ち返るなら日本の基本であるべきです。

ここからマクドナルドの迷走が始まることになります。

 

店舗売却や短期的なマーケティングで利益は上がってるように見え、V字回復と称賛された原田氏でしたが、しかしそれはあくまで短期的な利益に過ぎず、時が経つに連れ段々と限界が見え始めてきます。

原田氏が社長になってから「エビフィレオ」以外の日本オリジナル商品は一切打ち出されず、期間限定のプロモーション商品がほとんどが米国で既にある商品の模倣。

原田氏はアメリカの真似をすれば、日本マクドナルドは復活すると信じてたし、また米国の上層部もそう考えていました。

しかし一向に業績は回復しなかった。打ち出し施策は全て水泡に帰し、ことごとく失敗に終わるのです。

着実に会社の歯車は狂い始め、売上も徐々に下落の一途をたどっていきます。

一向に希望の光りが見えない状況に業を煮やした米国サイドは、原田泳幸の退陣を下し、代表取締役が原田氏から、サラ・カサノバに代わり日本マクドナルドのテコ入れを図ります。

そんな時に異物混入騒動やら、チキン問題やらが発覚したのです。

つまり、別に異物混入騒動がマクドナルドを迷走に追いやったわけではなく、2004年から既に日本マクドナルドの歯車は狂い始めていたのです。

 

事件は会議室で起こってるんじゃない

 

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日本マクドナルドが業績不振に陥ってる本当の理由が、食品の安全が揺らいだからではないということを加味すれば、野菜を全て国産にしたところで焼け石に水だと思います。

異物混入騒動で売上が下がったのは、メディアがボロカスマクドナルドを叩いたからであって、あくまでこれは一時的な売上減少なのです。

だからマクドナルドが今するべきことは食品の安全を取り戻すことではなく(もちろんそれも大事ではあるけど本題じゃない)、抜本的な改革が必要なのです。

米国サイドのやり方を見ると、とても日本のマーケットを理解してると思えないし、サラ・カサノバとて何を考えているのかよくわからない状態。

 

未だに米国の上層部やサラ・カサノバは、マクドナルドはレストランビジネスだと言っている始末。

マクドナルドがレストランだと思ってるのはサラ・カサノバと米国サイドだけで、お客さんはマクドナルをレストランだとは思っていません。

どう考えたってマクドナルドはレストランなわけがないです。
だというのに何故サラ・カサノバはマクドナルドをレストランビジネスだと考えているのか?
これは実に簡単な話で、サラ・カサノバは現場を知らないただの役員だからです。

現場に足を運んで今のマクドナルドがどういう状況なのかをきちんと把握していないから、未だにピントが外れたとことを言い、お客様との間にズレが生じてしまうのです。

マクドナルドは言わずと知れたピープルビジネス。

現場の人間がお客様の注文を伺い、現場の人間が商品を作り、現場の人間が何億というハンバーガーを販売しているのです。

だから藤田田が社長を務めていた時期は、藤田氏はどんなに忙しくてもわざわざ店舗に足を運び現場の空気を注意深く視察していたのです。

事件は会議室で起こってるわけではなく、現場で起こっているのですから。

しかし原田氏が社長に変わってから、現場を視察していたという話は全く聞きません。

これでは、今マクドナルドに何が起きてるかを明確に理解できるとはいえないし、ましてや現場どころか、日本のマーケットすら理解していない米国が主導で経営しているのだから業績が悪化して当然。

まずするべきことは、安全と信用を回復させることではなく、現場を知りつくしてる人間を社長に専任するべきなのです。

  

モスの真似をするのは論外

 

僕みたいな経営の素人が出した案で、マクドナルドの業績が回復するとは思えないけど、少なくとも出虹さん (id:idenizi)みたいに、マクドナルドが失速した本当の理由を知らない人よりはましだと思います。

何よりモスの真似をするというのは論外。 モスはモスでマックはマックです。

経営方針と目指してるステージが全然違うというのに、ここでモスのやり方を取り入れたらますますマクドナルドの迷走に拍車がかかるだけです。 出虹さん (id:idenizi)には申し訳ないけど、そこだけは言っておきたい。

 

そんなわけでボロカス言ってしまったけど、出虹さん (id:idenizi) が言ってたように、マックの広告はふざけていると思う。そこだけ同意します(笑)

長いエントリになってしまいましたが、ここらへんで筆を置きたいと思います。

 

マクドナルド 失敗の本質: 賞味期限切れのビジネスモデル

マクドナルド 失敗の本質: 賞味期限切れのビジネスモデル

 

ちなみに出虹さん (id:idenizi) も上記の「マクドナルド失敗の本質」のAmazonアソシエイト広告貼ってたけど、この本はものすごい良書なので、是非一読をおすすめします。