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要件を言おうか

マックで働くフリーターの備忘録

現実逃避最高〜!!!「知らない映画のサントラを聴く」を読み終えて

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しんまです。

そういえば5ヶ月前くらいに、自分はわりかし人生に絶望してたと記憶しています。
マックを辞め晴れて無職デビューしたものの、なんの計画もなかったため、 無職生活3ヶ月に差し掛かった頃生活は破綻してました。 

絶望・・・
オワコンじゃん自分・・・

そう言いながら何かをするでもなく、家でゴロゴロ・・・

22歳で自己破産の箔が付くのも困るので、結局バイト三昧のフリーター生活に舞い戻ってきて今に至るのだけど、
それに近しい状況から物語が始まるライトノベルに出会ってしまいました。

「知らない映画のサントラを聴く」

999999
新潮文庫nex

無職というワードに反応し、相変わらずの即買い。

以前から何度も口にしてる通り、僕は今現実逃避がとてもしたいです。

現実逃避するために、彼女をレンタルするサービスを利用しようとか、旅行に出かけようとか、色々考えていましたが、一番コスパが良い現実逃避手段として、最終的にライトノベルを読むという選択をしました。

それが今回読むことになった、「知らない映画のサントラを聴く」。

化物語を読んで以来、ライトノベルを読むのは、これで人生二回目となります。

さて、ライトノベルを読むまでの経緯はこれぐらいにして、早速「知らない映画のサントラを聴く」の感想を書いていこうかと。


あらすじ


錦戸枇杷。23歳。無職。夜な夜な便所サンダルをひっかけて“泥棒"を捜す日々。奪われたのは、親友からの贈り物。あまりにも綺麗で、完璧で、姫君のような親友、清瀬朝野。泥棒を追ううち、枇杷は朝野の元カレに出会い、気づけばコスプレ趣味のそいつと同棲していた…!朝野を中心に揺れる、私とお前。これは恋か、あるいは贖罪か。無職女×コスプレ男子の圧倒的恋愛小説。


Amazonでの内容紹介からの抜粋。
「無職女×コスプレ男子の圧倒的恋愛小説」と銘打っているけど、話のメインは恋愛ではなく、罪の償いが主となる。

Amazonレビューでも、「これは恋愛小説ではない」といった声が多々あったりするほど、恋愛要素は薄いので、恋愛小説だと思って読み進めるとだいぶ肩透かしを食らうことになります。

あらすじを簡単に説明しましょう。

無職で彼氏なし、最高に低スペックな主人公、錦戸枇杷
仕事といえば、家の掃除、洗い物、料理といった家事全般を担っている。
それ以外の時間は、何をするわけでもなく一日中家の中でグデーっとしているというダメダメな主人公。

うわー・・・まさに無職時代の僕みたいだ・・・超フラッシュバックするんですけど・・・

そんな彼女にはある習慣がある。

過去、自分の大切な写真を奪った、セーラー服を着た変態女装男がいる。
大事な写真を奪還するために、家を抜け出し、夜な夜な事件現場となった周辺を徘徊するのである。
それが彼女の毎日の習慣。


意味不明な内容だけど、そういうことです。


ネガティブな僕にとって、絶望ばかりの展開はたまらない

 

常時病んでるネガティブの僕には、設定やテーマが色々刺さりました。

まず主人公が無職で友達もいない。しかも唯一の居場所である家から追い出されるシーンがあったりもする。
それに付け加え、メインテーマが贖罪とくる。

もう始まりから絶望なんですよ(笑)

贖罪とくるだけあって、当然内容もかなり重苦しいものになるはずですが、それを感じさせない、スピード感あるコミカルな展開。

ついつい次のページをめくりたくなってしまうような、テンポと、キャラの台詞回し。
これは作者のセンスの賜物でしょう。

そして主人公である枇杷は、文字通り全てを失います。
自分が帰るべき家も、唯一無二の親友も、そして大事な写真も。

自分がもっているものを全て失った時、人は何を思うのだろうか?何をするのだろうか?
少なくとも僕だったら、路上生活に身を投じて、着実に這い上がるチャンスを待つでしょう。
あっ以外にポジティブじゃん自分。

全く希望が見えてこない展開ですが、こうした経緯を経て、着実に枇杷は成長していきます。

いや、成長というよりかは、自分の罪と真剣に向き合い、必死にもがき苦しみ、無様な姿をさらしながらも懸命に生きていこうとしていく。と言ったほうが正しいかも。

そこらへんの心理描写も、またすごい。
彼女の感情が文面からダイレクトに伝わってきて、ズシンと心に刺さります。

悔しい、悲しい、わけがわからない。ゴムの踵をアスファルトに叩きつけるように突っ走りながら、どうしても涙が滲んでしまう。視界が揺れる。首にかけていた雑巾寸前の薄っぺらいタオルで目元を擦る。
そりゃ確かに無職だけど。
いい年こいた大人のくせに、ごろごろだらだらこどものふりして、なんの責任を負わずに生きていたけど。
こんな生き方は正しくないと、自分でもわかってはいたけれど。
でも、一応役に立ってきたではないか。ずっとそれで許してくれていたではないか。掃除もしたし。洗い物もした。料理はあれだったけど、でも洗濯だって草むしりだって、町内会で回ってくる早朝のゴミ当番だってやった。あれは本当に大変だしめんどくさかった。宅配だってなんども受け取った。
それも、全部なかったことにするのか?

これは彼女が家から追い出された際の心理描写。
全てを失った絶望が彼女を襲っているのがわかります。
涙腺こそ刺激されなかったものの、何かまた違う感情を刺激されたような気がした。


救いようがない辛辣で重い内容ですが、それを感じさせない作者の力量。
楽しくというよりかは、時間を忘れて読むことができた作品でした。