化物語では詳細が語られることのなかった、阿良々木暦と羽川翼の九日間に渡る悪夢のゴールデンウィーク。
時系列的には、キスショットアセロラオリオンハートアンダーブレード(名前長え)に行き遭った地獄の二週間から一ヶ月後の話。
前回に続き今回も虚しくバッドエンド。全くもって残念なことに。
「猫物語 黒」
ちなみにですが、「猫物語 黒」はアニメから入っていたため、始まりも結末も知った上で読みました。
それで思ったのが、シャフトすげえってこと。
原作の味を殺さず、アニメならではの表現も取り入れ、無駄話と与太話が多い原作をきちんとまとめて、ファン納得、いや納得以上のクオリティでアニメ化してしまうのだから。
いやはや、本当物語シリーズってシャフトが制作してよかったと思います。
そんなわけで 今回読んだ「猫物語 黒」の感想を書いていきましょう。
あらすじ
出典「猫物語(黒)」2012年12月31日22時より、TOKYO%20MX・BS11・ニコニコ生放送の3メディアで放送決定!/
今作のヒロイン羽川翼。
事のあらましは、道端に横たわっていた 尾のない一匹の猫を埋葬するところから始まる。
通常ならスルーするであろう猫の死体。
学級委員長の中の学級委員長と評される羽川翼である。
真面目で生真面目な彼女は、その死体を丁寧に埋葬するという行動に打って出る。
さすが羽川翼。さすが学級委員長の中の学級委員長。
さもありふれた温かいエピソードであったが、これが悪夢の幕開けとなる。
障り猫
触ったモノに取り憑くという猫の怪異。
尾のない猫の死体こそ障り猫。
障り猫は羽川翼を取り込んだ。
取り憑かれた羽川翼は暴走する。
両親を襲い、阿良々木くんを襲い、とどまるところを知らず暴走する。
そして阿良々木暦は知ることになる。彼女の心に巣食う闇を。
感想
長々とあらすじを書いてしまった・・・己の文章能力と構成能力のなさにちょい反省。(Amazonの説明文コピれよって話)
さてさて感想を書いていきます。
まずですが、本書は305ページありますけど、そのうちの100ページはストーリーと一切関係ない無駄話です。
いつ物語始まるのかしらこれ?とか思いながら読み進めていましたが、まあこれが物語シリーズ。
これこそが物語シリーズ。
今回に限っては、妹の月火ちゃんとの掛け合いがほとんどです。
特にパンツの掛け合いは秀逸。
なんともレベルの低いくだらないテーマですが、阿良々木君と月火ちゃんの手にかかれば、なんか芸術をテーマに議論してるかのような錯覚を覚えてしまいます。
パンツの話なのに。
羽川翼。真面目で頭が良くて誰にも優しくて、絵に描いたよう優等生。
完璧すぎるほど完璧なまでに人間ができている。
そんな彼女にも心の闇があり、その闇のでかさは地球にも匹敵するスケールだった。
本来なら障り猫は憑依対象に対して、情けをかけることはない。怪異なのだから。人間とは馴れ合わない。
そん障り猫すらも同情したくなるような闇を、羽川翼は抱えていたわけで、それが今回の悪夢を引き起こす一番の発端になったのです。
ストーリーに関してはアニメとほぼ同じなので、目新しい驚きはありませんでしたが、やっぱり阿良々木君はいいやつすぎる。
彼女の闇を知り、襲われ、腕を引きちぎられ、救済を拒絶され、なおも己の命を張って彼女と向きあおうとするのだから。
ガハラさんが惚れるのわかるわ。
ネタバレになるので詳しくは言えませんが、ラストの戦闘シーンの展開にはマジで胸が熱くなりました。
無駄話が多い分、一旦ストーリに入り始めるとめちゃくちゃスピード感あります。
西尾維新の腕前ということでしょう。
そしてですが、キスショット以下略、現「忍野忍」。
彼女が傷物語以降、初めて言葉を口にします。
しかもクライマックスで。
かっこよすぎるだろ忍ちゃん。
さすが僕が物語シリーズで一番好きなキャラにして、阿良々木くんのベストパートナー。
今作も、嫌な現実を忘れさせてくれるほど、のめり込みながら読めました。
働きたくねえ。僕も可愛い同級生が怪異に襲われて、そんな彼女を命を決して助けてえ。
命を張ってでも働きたたくねえ。
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