無理に決まってんだRO。
と、選挙カーにでも乗ってメガホン使って叫び散らしたいところですが、あっさり一刀両断するのはあまりにも芸がない。
ということで今回は、無駄に長いブログ歴を活かし、至って真面目にブログの可能性について論じてみたいと思います。
目次
稼いでいるブロガーはほぼ全員消えている件
筆者自身がブロガーだったので、多くのブロガーと交流がありましたが、昔ブログで稼いでいて、今もまだ稼いでいる人はほとんどいません。
ほとんどの人がブログから撤退しているか、他のビジネスに軸足を移しています。
「プロブロガー」の概念を提唱したブロガー界の星「イケダハヤト」(通称イケハヤ)さんですらYouTube、仮想通貨、音声メディアなどに経営資源を投入し、ブログは完全に見限っています。
「ブログで月100万円の収益を達成しました!」と収益報告をあげている人のブログを見てみても、それは過去の話で、現在は更新されていないか、ブログ自体削除しているパターンがとにかく多いことこの上なし。
結局界隈に残されたのは、ブログで稼いでると吹聴して、高額コンサル、高額商材を売り付けようとしてくる詐欺まがいな商材屋ばかりで、まともにブログで高収益を叩き出している現役ブロガーは都市伝説級のレア存在。
もはやブログ界隈は、悪質なブログコンサルが跋扈する、欺瞞と欲望と悪意が入り乱れる修羅の世界と化している魔境。くわばらくわばら。
ブログ飯は修羅の道
「ブログで稼ぎたい!」と意気込む新人ブロガーの夢を粉々に打ち砕いてくれるのが、日本アフィリエイト協議会の「アフィリエイト市場調査」です。
2020年の最新データを見ると、いかにブログで稼ぐのが難しいかがわかります。
参考: アフィリエイト市場調査2020を発表 ~月1万円以上の収入割合は過去最高13.3%~ | 一般社団法人 日本アフィリエイト協議会(JAO)
■調査概要実施:
一般社団法人 日本アフィリエイト協議会(JAO)
協力: 株式会社クロス・マーケティング
期間: 2020年11月12日(木)~11月16日(月)
人数: スクリーニング調査6,283名、有効回答数1,000名
なんと、アフィリエイトに取り組む人の7割が月収1000円未満です。
副業レベルの月1~10万円稼げる人の割合は9.8%。
生活できるラインの30~50万円稼げる人はわずか0.5%。
月収100万円プレイヤーに至っては0%。
この厳しい現実は、ブログ飯を目指す多くの人を正気に戻してくれることでしょう。
もちろん、悪質なコンサル野郎共はこの厳しい事実を隠蔽し、代わりに、「まず100記事書きましょう」「信じれば夢は叶います」「諦めたらそこで試合終了です」「強い者、賢い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ」などと、軽薄な根性論と、誰かの名言を引用し、右も左もわからない新人ブロガーをカモろうとしてきます。
控えめに言って修羅。
なぜブロガーは稼げなくなったのか
ブロガーは、自分の記事をGoogle上で検索上位に表示することで、収益をあげていきます。
一例を紹介すると、「漫画 おすすめ」の検索キーワードで上位表示に成功すれば、面白い漫画を買いたい層からのアクセスを集めることができ、結果的にそれがユーザーの購買に繋がり、ブロガーの収益に直結します。
しかし、現在Googleの「漫画 おすすめ」の検索結果では、なんと1ページ目は1~7位が全て企業サイトで占められており、8位にギリギリ個人サイトがランクインしているという状況です。
順位 | サイト名 | 種類 | 企業or個人 |
1位 | ブックライブ | 電子書籍配信サイト | 企業 |
2位 | コミックシーモア | 電子書籍配信サイト | 企業 |
3位 | もったいない本舗 | 中古本売買事業者 | 企業 |
4位 | ブックオフオンライン | 中古本売買事業者 | 企業 |
5位 | アニメイトタイムズ | アニメ関連商品販売事業者 | 企業 |
6位 | gooランキング | エンタメニュースサイト | 企業 |
7位 | マイナビおすすめナビ | エンタメニュースサイト | 企業 |
8位 | 300books | 書籍紹介ブログ | 個人 |
※Googleで「漫画 おすすめ」で検索した際の2021年10月9日時点での検索結果
上位に食い込んでいる個人ブロガーはわずか1人。しかも1ページ目最下位。
「映画 おすすめ」などのキーワードでも試してみましたが、こちらは1ページが全て企業サイト。
先ほども書いた通り、ブロガーは自身の記事を検索上位表示することで収益を上げます。
しかし、現在のGoogleは、このように個人サイトではなく企業サイトを優遇する傾向にあり、個人ブロガーが上位表示するのは極めて難しいのが現実です。
記憶が正確ではありませんが、2018年後半くらいまでは、まだ個人ブロガーの記事は上表示されてました。(筆者もこの時期はまだ稼げてた)
実際「漫画 おすすめ」「映画 おすすめ」のキーワードで多くの個人ブロガーが、上位にランクインしていました。
しかし現在は企業サイトが上位を独占。
Googleから見放された個人ブロガーは、検索順位の隅に追いやられました。
「企業サイト優遇、個人サイト冷遇」。これが個人ブロガーが稼げなくなった最大要因だと考えられます。
もちろん、Googleは「企業サイト優遇、個人サイト冷遇」というアルゴリズムを明確に発表しているわけではないので、企業サイト優遇はあくまで筆者個人の見解。
キーワードによっては、個人でも十分上位表示可能なものもあると思います。
とはいえ、多くの検索キーワードでは上位を企業サイトが占拠しているのは一つの事実なので、個人ブロガーにとっては凄まじき逆風なのは間違いなし。
Googleはより質の高い情報を届けたいという狙いがあるので、どこの馬の骨かもわからない個人ブロガーの記事より、ちゃんとした会社がやっているメディアの記事を上位表示したいのでしょうね。
【別の仮説】
Googleが企業と個人で区別しているのではなく、情報の信頼性と正確性をもとに順位を決定しているのかもしれません。
その結果、ヒト、モノ、カネの資本を持つ企業サイトのハイクオリティな記事が検索上位をかっさらっているのかも。
脱SEOは可能なのか
Google上で企業サイトが優遇されているのなら、検索エンジン以外から集客すればいいのではないか。
つまり脱SEO。
脱SEO論争については、随分前から色々なブロガー・アフィリエイターたちが議論を交わしていますが、脱SEOして成功している人の事例は極めて少ないです。
筆者が知るケースだと、SNSの流入で見事に成功事例を作ったのはあいめこさんのアダルトアフィリエイトくらい。
参考: Twitter戦略の裏側と結果を公開するよ!~今回のあいめこ騒動について〜 - ときわあいめこブログ
やはり、いまだにほとんどの人がSEOで広告収益を立てています。
そもそも脱SEOに舵を切るなら、別にブログという媒体にこだわる必要もないですしね。
結論
ネット広告市場は年々伸びていて、2020年度は2.2兆円もの広告費がネット市場に落とされました。
参考: 【2020年】2.2兆円のネット広告市場の内訳は? 検索連動型、ディスプレイ、動画は大きく成長。成果報酬型広告は減少 | ネットショップ担当者フォーラム
市場が成長しているのだから、当然そこにはチャンスがあることになりますが、現状そのチャンスを掴んでいるのは企業サイト。
かくして個人ブロガーはかつての存在感を失った。今でも現役で稼いでる個人ブロガーは絶滅の危機に貧しているオカピ並みの希少さ。圧倒的レッドリスト入り。きっつー。
にもかかわらず、SNSでは「ブログは稼げる!」と喧伝する怪しげなブログコンサルアカウントが癌細胞のように大量増殖しているのだから、人間とは実に業が深い生き物です。
というわけでありまして、結論、個人ブログで月100万円稼ぐのは無理ゲー。
月100万円どころか、月1000円すら稼げない可能性あり。
Googleのアルゴリズムが大きく変動しない限り、個人ブロガーにチャンスはほとんどありません。
「でも今でもブログで稼いでる人はいるんでしょ!ヒトデさんとかクロネコ屋さんとか!」
と反論する人もいるかもですが、それは単なる生存者バイアス。
勝者の裏にはおびただしい数の敗者が亡骸になっています。
本気で勝ちにいくなら、違うビジネスにリソースを割いた方がいいでしょう。
まあ、アフィリエイトで月50万円以上稼げてる人は統計上0.3%ほど存在するので、自分がその0.3%に入る自信があるのであれば、参入するのもアリかもしれないけど。
狂気の金儲け術「マーチンゲール法」
個人ブロガーの夢をズタボロに砕いて記事を終えるのはあまりに締まりが悪いので、確実に儲かる狂気的な金儲けの方法を紹介して本記事をシメます。
本記事を読んでいる方限定の有益情報です。
その方法とはズバリ「マーチンゲール法」。
マーチンゲール法とは、ギャンブルで使う手法の一つで、負けるたびに賭け金を倍にしていくというギャンブル手法です。
すなわち、最初に100円賭けて負けたら次は200円賭ける。それも負けたら400円、また負けたら800円と賭け金を倍にしていきます。
この賭け方をすると、一回でも勝つとそれまでの負けをチャラにし、プラスでゲームを終えられます。
なので、絶対に負けない手法として、賢人たちの間ではよく知られています。
このマーチンゲール法を駆使して、競馬、競輪、競艇、などで巨額のマネーをゲットしてください。
ちなみに、最初100円で賭けて負け続けた場合、どれくらい資金が必要になるのかを22連敗まで想定して表を作ってみました。
回数 | 賭け金 | 回数 | 賭け金 |
1回 | 100円 | 12回 | 204,800円 |
2回 | 200円 | 13回 | 409,600円 |
3回 | 400円 | 14回 | 819,200円 |
4回 | 800円 | 15回 | 1,638,400円 |
5回 | 1,600円 | 16回 | 3,276,800円 |
6回 | 3,200円 | 17回 | 6,553,600円 |
7回 | 6,400円 | 18回 | 13,107,200円 |
8回 | 12,800円 | 19回 | 26,214,400円 |
9回 | 25,600円 | 20回 | 52,428,800円 |
10回 | 51,200円 | 21回 | 104,857,600円 |
11回 | 102,400円 | 22回 | 209,715,200円 |
最初100円スタートで始めても15連敗で賭け金は100万円を超え、18連敗で1000万、21連敗してしまうと賭け金は1億オーバー。
数億円以上の資産がある方は、ぜひこの手法で荒稼ぎしてください。
多額の資金が必要になるとはいえ、理論上必ず勝てる方法論だし、21連敗する可能性など確率論からいって限りなく低いのでご安心を!
おわりに
手間のかかった冗談はともかく、「ブログで月100万円稼ぐのは無理ゲーである」、という筆者の主張の根拠は、
・ブログ歴8年で得た知見
・日本アフィリエイト協議会の「アフィリエイト市場調査」
・現在のGoogleアルゴリズムの傾向
の3つを軸にしています。
しかし、Googleのアルゴリズムに関してはあくまで筆者個人の主観だし、日本アフィリエイト協議会の「アフィリエイト市場調査」も、必ずしも正確な市場を表しているとは言えません。
というのも、ブログをやっている人全員が、ブログをマネタイズしたいと思っているわけではなく、趣味でやっている人も多いはずです。
「アフィリエイト市場調査」のアンケートに参加した人が、趣味でブログをやっている人も多く含まれてるとすれば、当然「稼げない層」は増えます。
なので、アフィリエイト市場調査をそのまま素直に受け取るのも、それはそれで早計です。
結局、各々自分の頭で判断しなければいけないということです。
筆者はあくまで、「ブログは無理ゲー」という立場ですが、筆者の意見を鵜呑みにせず、各々自分の頭で考え判断してください。
この記事はあくまで判断材料の一つに過ぎません。