どうも、しんま13です。
犯罪が絡む系の映画が好物だったりするのですが、今回見た「悪人」もガッツリ犯罪が絡む映画です。
まあ、タイトルからお察しの通りでしょう。
というわけで早速感想を書いていきます。
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目次
- 映画「悪人」の基本情報・予告編
- 映画「悪人」の主要登場人物・キャスト情報
- 映画「悪人」のあらすじ
- 映画「悪人」のネタバレ感想
- 主人公「清水祐一」
- 殺された「石橋佳乃」
- 裕福なイケメン大学生「増尾圭吾」
- 被害者家族「石橋夫妻」
- 加害者家族「清水房枝」
- 幸薄そうな女「光代」
- 映画「悪人」総評
- まとめ
映画「悪人」の基本情報・予告編
【監督】李相日
【脚本】吉田修一
【ジャンル】ドラマ
【公開日】2010年9月11日
【上映時間】139分
本作は、 第61回毎日出版文化賞と第34回大佛次郎賞をダブル受賞した吉田修一氏の「悪人」が原作となっています。
映画「悪人」の主要登場人物・キャスト情報
・ 妻夫木聡: 清水祐一役
・ 深津絵里: 馬込光代役
・ 岡田将生: 増尾圭吾
・ 満島ひかり: 石橋佳乃役
・ 樹木希林: 清水房枝役
・ 柄本明: 石橋佳男役
・ 宮崎美子: 石橋里子役
映画「悪人」のあらすじ
ある若い女性保険外交員が死体となって発見された。
その女性が死ぬ直前一緒にドライブしていた大学生の男が第一容疑者とされたが、警察が事情聴取をしてみると、その男は事件には無関係であることがわかった。
そんな中、土木作業員として働く金髪の男が真犯人である可能性が浮上してくる。
男は、自分が警察に疑われていることを察知すると、出会い系サイトで知り合った女性と一緒に逃げるのだった。
逃げる犯人、犯人と共に行動する女、悲劇に見舞われる被害者遺族、マスコミの格好のネタにされる加害者の祖母、それぞれの人物たちの思いが交錯していく。
映画「悪人」のネタバレ感想
結論から言うと、非常に面白い映画でした。
まず役者陣の演技が素晴らしく、後半の駆け抜けるような疾走感と、深く考えさせられる深いテーマ性がありました。
物語は土木作業員である妻夫木聡演じる、清水祐一が出会い系サイトで知り合った女性を殺害するところから始まります。
祐一が彼女を殺した理由は、彼女に金づるにされたあげく、他の男に捨てられているところを助けようとしたのに、「あんたなんかあたしと釣り合わない」的なクソ発言をされたことで、カッとなり首を絞めてしまうのでした。
そして、祐一は警察に自首するわけでもなく、出会い系サイトでメールのやりとりをした光代と会い、いきなり「ホテル行こう」と言いおっぱじめやがります。
そして、自分が警察に疑われていることを知ると、怖くなってしまい光代に「自分は人を殺した」と打ち明けるのです。
なんやかんやあり、祐一は自首することにしたのですが、警察署の手前で光代が「一緒に逃げよう」と言い、二人の逃避行が始まります。
金もなければ希望もない二人の逃避行でしたが、二人は二人の時間を楽しみ幸せなひと時を過ごします。
一方で、祐一の祖母は加害者家族としてマスコミに追われ、祐一に殺された女性の被害者家族は辛くてやりきれない毎日を送る日々です。
警察もバカではないので、遂に祐一と光代の居場所を突き止め祐一を逮捕するのでした。
とまあ、こんな感じの話です。
本作は「悪人」というタイトルですが、ここで言う悪人とは間違いなく祐一でしょう。
裕一は短絡的に一時の感情で人を殺し、罪の意識にさいなまれながらも、結局自首という道を選ばず出会い系で知り合った女に泣きついたあげく二人で逃亡するのですから。
さてさて本作は、各登場人物の視点によって物語の見方が変わってくるので、本作の主要登場人物全員の視点から物語を語ることにします。
主人公「清水祐一」
祐一は田舎の閉鎖的な村で育ったせいか、コミュ力が全くなく社会性も皆無です。
とはいえ、コミュ力がないだけで、初任給で祖母にプレゼントを買ってあげるなど優しい心を持つ青年だったりします。
そんな祐一でしたが、純粋すぎるがゆえに、出会い系で知り合った石橋佳乃に金づるにされ、男としての自尊心を傷つける暴言を受け、カッとなり彼女を絞殺。
でも裕一は自首するわけでもなく光代と逃げ回り、ラストで「俺はそんな人間じゃないんだ」と言い光代の首を絞めて殺そうとします。
祐一は、人を殺しておいて自己保身ばかり考えてるし、女に弱音ばかり吐いてるし、見ていて非常に胸糞でした。
祐一はバカなのか子供なのかわかりませんが、物事を論理的に考えることができず、その場その場の感情で行動しています。
だから、見てるこっちからすれば実にバカに見えてイライラします。
ムカつく映画の主人公ランキングがあるとしたら、祐一は間違いなくベスト3に入ってるでしょう。
殺された「石橋佳乃」
彼女は祐一に殺された被害者なわけですが、彼女の人間性がしょうもないので正直あんまり同情できませんでした。
こりゃあ殺されてもしょうがないかなと。
佳乃は出会い系サイトで知り合った祐一に金を貢がせ、岡田将生演じるイケメン大学生と、付き合ってるわけでもないのに、「圭吾くん(岡田将生)と付き合ってる」と、女友達の前で見栄を張ります。
で、偶然圭吾と会うとそのまま圭吾の車に乗り二人でドライブするのですが、佳乃はどうでもいい話をべらべら喋り、それに圭吾がイライラし始め、最終的に佳乃は山道の中無理やり車から降ろされてしまいます。
ムカつく女だけど山道にいきなり捨てられるのは流石にかわいそうですね。
二人を尾行していた祐一が、捨てられた佳乃を見て「送ってあげる」と助けようとするのに、佳乃は「お前と私は釣り合わない。勘違いするな」的なことを言い放ったあげく、「お前に乱暴されたと警察に言ってやる」とわめきだします。
祐一の純粋な善意をないがしろにし、しかも乱暴されたという嘘を警察に言うというクソっぷり。
そりゃあ祐一に殺されてもしょうがないよ...と不謹慎ながらもそう思っていました。
ある意味、これだけムカつく嫌な女を演じた満島ひかりさんの演技力は凄いです。
裕福なイケメン大学生「増尾圭吾」
岡田将生演じる増尾は、親のおかげなのか非常に裕福らしく自由気ままな生活を送っています。
増尾の中身はザ・クズ。
女をまるでモノのように扱い、人を舐め腐ったような態度をしており、ぶん殴りたい映画キャラランキングベスト3に入るくらいムカつく野郎です。
増尾は、偶然会った佳乃と一緒にドライブするものの、佳乃の口がニンニク臭かったため「車から出ろ!」とブチ切れ始め、佳乃を蹴り飛ばして山道に置き去りにします。
佳乃を殺したのは裕一ですが、彼女が殺されるきっかけを作ったのは間違いなく増尾です。
増尾は完全なる悪人とは言い切れないかもしれませんが、善人ではないことは確かでしょう。
どうか不幸な死に方してくれ。
被害者家族「石橋夫妻」
佳乃の両親である佳男と里子は、佳乃が何者かに殺害されたことにより、当然ながらめちゃくちゃショックを受けます。
男と遊び呆けて、ろくに連絡もよこさない娘だったとはいえ、それでもたった一人の娘だったので、やっぱり辛いのでしょう。
2人は日々やり場のない怒りを感じ悲しみに暮れます。
思い詰めた父親の佳男は、せめて佳乃を蹴り飛ばして山道に置き去りにしたクズ野郎「増尾」をぶちのめしてやろうと思い、レンチを持って襲撃しようとします。
しかし、すんでのところで思いとどまります。
ここでこのクズをぶちのめして殺してしまえば一時的にはスッキリするけど、それはつまり自分の娘を殺した奴と同じ穴のムジナなってしまいます。
大切な娘を失った佳男だからこそ、そう考え踏みとどまることができたのでしょう。
加害者家族「清水房枝」
樹木希林演じた裕一の祖母「清水房枝」。
祖母思いの裕一を猫可愛がりしていたのに、そんな裕一が殺人犯の容疑者として浮上した時、彼女は尋常じゃないくらいショックを受けます。
加えて、加害者家族という立場のせいで連日マスコミに追い回されるという地獄。
彼女は精神的に追い詰められていきます。
しかも、何やら怪しげな団体に高額な商品を脅迫まがいのやり口で買わされます。
恐らく、本作で一番可愛そうな登場人物です。
子供がいる人が見たら辛いかも。
幸薄そうな女「光代」
深津絵里演じる光代は、どこか幸薄そうな顔をしており、失礼ながらほとんど男性経験がないのだと思われます。
光代は出会い系で出会った裕一に本気で恋をしてしまい、裕一が人を殺したことをカミングアウトしても、一緒に逃げようと言い2人で逃亡してしまいます。
恋は盲目。
人は恋をすると脳みそがチンパンジー以下になるとも言われていますが、この時の光代はまさに脳みそがチンパンジー以下。超バカです。
裕一のことが本気で好きなら問答無用で警察に突き出して自首させるべきなのに、光代はもっと裕一と一緒に居たいと思ったのか、あてのない逃避行を始めてしまうのです。
深津絵里さんは踊る大捜査線でのイメージが強く、仕事ができて、男顔負けの度胸を持った典型的な強い女性を演じていたので、本作を見てそのギャップに驚きました。
本作での深津絵里が演じた女性は、幸薄そうで、弱そうで、後先考えずに行動してしまうアンポンタンです。
女優ってすごいな〜。
まあ何にせよ、光代はアンポンタンかもしれませんが、悪人ではないでしょう。
映画「悪人」総評
当たり前といえば当たり前ですが、裕一が一時の感情で人を殺してしまったが故に、多くの人たちに迷惑をかけることになります。
裕一に娘を殺された石橋夫妻、自分を育ててくれた祖母、出会い系であった光代、彼ら彼女らは裕一のせいで人生が一変してしまいました。
そういう意味でも裕一のしたことはまさに悪人であり、許されることではありません。
先程も書いたとおり、本作はムカつく登場人物が多く登場するために、若干胸糞です。
裕一の何がしたいのかよくわからない態度にイライラしたし、増尾のこれでもかというクソ野郎っぷりには辟易したし、佳乃の糞ビッチぶりには殺意が芽生えたし、とにかく登場人物にムカムカする映画です。
逆に言えば、彼ら彼女らの演技力が素晴らしいからこそこういう感情が生まれてくるのでしょうね。
ですが、胸糞キャラが多いとはいえ本作は普通におもしろいです。
邦画は駄目だと言われてる中、本作はかなり良作の邦画だと思います。
まとめ
本作を見て感じたのは、登場した登場人物たちは後先の考えない行動が目立つということ。
裕一は一時の感情で人を殺して勝算も何もないのに逃亡するし、光代も殺人犯の裕一が好きすぎるがために、自分の普段の生活を捨て一緒に逃亡するし、なんだかなあ・・・。
自分はもうちょっと賢く生きたいものです。
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ではでは。
以上、【ネタバレ有】映画「悪人」あらすじ・感想。胸糞キャラオールスターズ...でした。