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カネとかジンセイとかいろいろ

【2022年9月】今月読んだ3冊

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レンスペ関連の仕事そしてFP試験に向けた勉強などもあり、何も予定がない日が2日しかなかった、という言い訳じみた諸問題を鑑みても3冊しか読んでないのは、我ながら少ないっすね。

というわけで今月も読んだ本の感想。
例の如く、今月と銘打ってるけど先月のやつです。

目次

 

1. 怪盗フラヌールの巡回

 


父は偉大なる怪盗フラヌールだった。彼には盗めないものなどない。が、当の息子「あるき野 道足(みちたり)」はそんな父をとことん軽蔑しており、道足がフラヌール二代目を襲名すると、あろうことか父が盗んできたモノを返却するという「返却怪盗」としての活動を始める。
そんな道足が、海の中にある怪しげな研究所に父が盗んだ玉手箱を返しにいくところから連続殺人事件が起こる、そんなお話。

もうね、最高。
西尾維新の作品は物語シリーズと掟上今日子の備忘録くらいしか読んだことなく、最近は滅法ご無沙汰だったので、さてどんな感じなのかなと思って本作を手に取ってみたが、やはり西尾維新作品はキャラがいい。
どのキャラもインパクトがあり、そして皆それぞれ持ち場がある。
「トリッキーなキャラを作るのはそう難しくないけど、ではそのトリッキーなキャラをどう運用してどうエンディングまで持っていくかを考えると、それができてない人多いですよ」、的なことを暗殺教室の作者松井先生がおっしゃっていたが、西尾維新はトリッキーなキャラもしっかりと運用できている。
やっぱすごいっすこの先生は。

 

2. 弁理士・大鳳未来 ストロベリー戦争

 


このミス大賞「弁理士・大鳳未来」シリーズの新作。
久郷いちご園のいちご「絆姫」が、田中山物産株式会社という日本最大手の総合結社に、「それ商標権侵害だから」といちゃもんをつけられるところから物語は始まる。

調べると確かに田中山物産は数年前に「絆姫」の商標を取得している。
商標登録は早い者勝ちなので、先に登録した方が権利を持つ。
となると、久郷いちご園にはほぼ勝ち目がない。
そんな無理ゲーな依頼をもらった未来は、さてどうやって絆姫の名前を守るのか、というお話。

相変わらず強気な未来と男みたいな喋り方をする姚のコンビは見ていて痛快ではあるが、それ以外のキャラがモブらしさ全開でやや物足りなさはあったものの、商標権という摩訶不思議な世界の一端を覗けただけでなく、突きつけられた難問をとんでもないウルトラCで突破しようとする未来の実務力の高さ、そして問題解決能力の秀逸さは学ぶものがある。
総じて面白かった。

 

3. オカルト・クロニクル 増補新装版

 


新装版なので基本的に前作とほぼ内容は一緒ではあるが、

・もう1人のサジェ
・数奇なる運命に翻弄された一家
・山荘の怪事件
・君と僕と呪われた脳
・数字で学日本の異世界

の5作品追加されているので、旧版を持っている方も楽しめる内容となっている。
相変わらずの博識ぶり、膨大なる資料の読み込み、ありとあらゆる可能性を考慮して論理的な推論を展開する考察力、そして知性と底意地の悪さが溢れるユーモア。内容の面白さはもちろんのこと物書きとしての才能と熱量が凄すぎる。

自分の主観だけで書くライター、いかがでしたかでシメるへっぽこブロガー、散々人様を批判するくせに記者名の記入がない大手メディア、文責をまるで背負おうとしない書き手がごまんと溢れている昨今だからこそ、松閣オルタ氏のひたむきな姿勢は光る。

 

おわりに

 

来年度の行政書士試験に向けて現在「民法」を習学中だが、法律独特の難しい言い回しに四苦八苦している筆者である。
テキストを読みながら何度、「頼むからもうちょっと平たく書いてくれ・・・」と嘆いたことか。
筆者のアホさを舐めるなよと。
かような難解な文章の解読に苦戦していると無性に小説が恋しくなるので、勉強の合間を縫って今後もいろんな本を読んでいきたいところである。