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カネとかジンセイとかいろいろ

【2022年11月】今月読んだ8冊

※本記事には広告が含まれています。
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11月の読書は小説少なめで投資関連の本が多い。

目次

 

1. カラスの親指

 


悲しい過去を持つタケとちょっと抜けてる相棒のテツ。
2人は詐欺師である。2人はちんけな詐欺で食いつないでその日暮らしをしていたが、ひょんなことから彼らの下にまひろとその姉のやひろ、やひろの彼氏である貫太郎が転がり込んでくる。
全くの他人である5人の奇妙な共同生活が始まる中、じわりと恐怖の手が忍び寄る。
それは、タケ、そしてやひろとまひろの過去に関係しているものだった。
忌まわしい過去を精算をするべく5人が大掛かりなペテンを仕掛けるという、クライムサスペンス作品。

本作は映画化もされており、筆者は元々映画から観ていたのでタケの顔は阿部寛で再生されていた。

 

 

そんな余談はともかく、抜群に面白かった。

身寄りもなく孤独に生きていた5人が身を寄せ合って生きていく、そして目の前の困難には皆で協力して立ち向かう。人間の優しさを感じるハートフル作品であった。

 

2. カエルの小指

 


カラスの親指から十数年経ったあとのお話。
タケは詐欺から足を洗い実演販売という真っ当な職業に就いていた。
やひろは貫太郎と結婚し小学6年生になる子供がいて、至って普通の家庭を築いており、まひろはスリから足を洗い真っ当に仕事をして生活している。

真人間に更生したタケの下にやってきたのがキョウという中学生。
キョウはタケに言う。「責任を取ってもらおうと思いまして」と。
そしてタケはキョウを救うために再び大掛かりなペテンを仕掛けることを画策する。
人生の理不尽さ、そしてタケの無償の優しさが感じられる傑作である。

 

3.4. 最も賢い億万長者上下巻

 


シモンズは金融市場をハックした最初の世代かもしれない。
1970年代、当時のヘッジファンドたちはカンとセンス、そして独自の驚異的な読みで市場動向を分析し金を儲けた。
彼らヘッジファンドが市場で収益を得るためには、経済や金融の知識に通じているのはもちろんのこと、投資家としての経験値が求められたわけだ。

そんな時代、シモンズは大学教授の立場を捨てマネメトリクスという運用会社を立ち上げる。
シモンズは、自身の数学的知識を活かし、金融市場を統計的に分析し、従来のヘッジファンドとは違った観点から収益機会を模索する。
当時、このような考えで市場に向き合う人はほぼいなかった。

シモンズが目指したのは、人間が投資判断をするのではなく、コンピューターが自動で投資判断をし、勝手に金を稼いでくれるマシーンを作り上げることだ。
その目論見は成功し、シモンズのファンドは32年間で平均66.1%の収益率を誇る驚異のファンドになった。

この本の一番の学びは、「51%以上勝てるポイントに金を賭け続ければ兆万兆者になれる」という点である。
シモンズは効率的市場仮説に真っ向から異を唱え、数学的アプローチで市場の歪み(51%以上勝てるポイント)を見つけ出し、個人資産を2兆円まで増やした。

本書の学びを筆者の投資活動にも活かしたいものである。

 

5. 「入門」外国為替のしくみ

 


1から為替の勉強をしたかったので購入。
特にオプション取引について理解を深めておきたかったので本書はいい勉強になった。

 

6. なぜ倒産 令和・粉飾編

 


筆者が大好きな「なぜ倒産」シリーズ。
成功談より愚かな失敗事例の方が120倍役に立つのである。

今回は粉飾編なので、「粉飾決算をした企業の倒産」をメインに据え、「会社成長期の倒産」、「会社停滞期の倒産」、「突然の倒産」というグループ分けをして様々な倒産事例を紹介している。

特に、「会社成長期の倒産」はかなり含蓄に富んでいる。
成長しているはずなのになぜ倒産してしまうのか。そこには成功しているからこその過信があったのだ。
例えば1966年創業洋菓子メーカーの「シベール」。

シベールは、贈答菓子「ラスク」の先駆者であり、ラスクという強力なヒット商品を武器に2005年にジャスダック上場まで果たす。
上場して資金が集まると、シベールは自社のブランド価値向上のため、巨額の資金を投じて本社敷地内に「シベールアリーナ&ライブラリー」という文化施設を作る。アリーナは500人収容で、ライブラリーには3万冊の蔵書がある。
この施設は大して金を生まないが、自社の世界観を通信販売の顧客に伝えることが主目的なのだという。

しかし思ったより通信販売の売上は伸びず、2008年8月期には通信販売の売上は23億円あったが、11年8月期には13億円まで落ち込む。

そして、先駆者はいつだって後発者に狙われる運命にある。
ラスクが金の生る木だと気づいた後発者たちが市場に参入し、たちまちシベールは先駆者としての優位性を失う。
そこからシベールは巻き返しを図ることができず、2019年に民事再生法の適用を申請するに至った。
先駆者としての過信を後発者に付け込まれのだ。

日本マクドナルド創業者の藤田田は、「ビジネスは戦争である」と言ったがまさにその通りである。
少しでも隙を見せればたちまち敵にやられてしまうのだ。

シベールの失敗は以下の3つになる。

1. ブランディングのため巨額の資金を投じて文化施設を作った
2. ラスク以外のキラーコンテンツを生み出せなかった
3. 後発者に勝つことができなかった


勝負の世界において過信は禁物なのである。
本書はそんな世知辛い人生訓を学べる良書。

 

7.8. ???

 

最後の2冊はタイトルがあまりにもバカっぽいのと、筆者が次何をやろうとしているのかバレてしまうので伏せます。
近いうちブログ書くので許してください涙

 

おわりに

 

12月のどこかで「今年読んだ本でおすすめの本」的なエントリ書きたいところである。
ではでは。