ゴルゴは請け負った依頼は必ず達成します。
その狙撃テクニックは実に天才的でどんなに厳しい条件でも確実にターゲットを仕留めます。
ゴルゴの有名なスナイプとして知られるエピソード「死闘ダイヤ・カット・ダイヤ」では、地上最強の硬度を誇るダイヤを、打撃に脆いポイントを見事捉え、銃弾でダイヤを砕きました。
また、エピソード「メデジンカルテル」では、ターゲットの手下たちに追い詰められたゴルゴは、30メートのホテルの屋上から飛び降ります。
「ゴルゴは追い詰められて自ら死を選んだ」と思われましたが、ゴルゴは垂直落下しながら標的のいる階に向けて銃弾を放ち見事ターゲットを仕留め、推進1メートルの貯水槽に落下します。
普通なら即死ですが、着水する瞬間に両手足を広げて衝撃を和らげるという高度な飛び込み技術を用いて無事生還を果たすのです。
以上のように、ゴルゴは狙撃の天才なのです。
しかし、そうはいってもゴルゴも狙撃に失敗することは、少ないながらもあります。
今回はそんなゴルゴの貴重な狙撃失敗エピソードを3つ紹介しましょう。
目次
1. アクシデンタル
ゴルゴ13第13巻の「アクシデンタル」はゴルゴの代表的な狙撃失敗エピソードとしてよく引き合いに出される作品です。
ゴルゴはいつも通り、ターゲットを狙撃するためのポジションを取り、その引き金を引いたのですが、引き金を引く「カチン」という音だけが響き銃弾は発射されませんでした。
そう、不発弾だったのです。
ゴルゴは「ミスファイア・・・!」と驚き、過ぎ去っていくターゲットを見送りました。
ゴルゴが使用する銃弾で不発弾が出る可能性はコンマ以下。
不発弾が出たということは誰かの罠や思惑が働いてるということです。
ゴルゴは不発弾の理由を探るために一旦依頼を保留。
すぐさま調査を開始します。
すると、ゴルゴの銃に不発弾を忍ばせたのは武器屋の店主だったことが判明。
問いただすゴルゴに対して店主は見苦しく命乞いをしますが、ゴルゴは店主を銃殺します。
不発弾が出たら、すぐに次の弾丸を発射すればターゲットを狙撃できたのに、そうはせず一旦依頼を保留し、不発弾が出た原因を徹底的に探るというその姿勢はさすが超一流のプロフェッショナルと言わざるを得ません。
2. テレパス
ゴルゴ13第58巻「テレパス」では、ゴルゴが狙撃に失敗して慌てるカットが見れる貴重なエピソードです。
「テレパス」も「アクシデンタル」同様、とても有名なエピソードで、ゴルゴの狙撃失敗例として度々引き合いに出されています。
CIAにゴドノフ大佐の狙撃を依頼されたゴルゴは、ゴドノフ大佐が飛び立つ飛行場の前で待ちかまえます。
ゴドノフが姿を現し、ゴルゴが狙撃をしようとした瞬間、ゴドノフについていた1人の女がなんとゴルゴの殺気を察知。
すぐさま女はゴドノフの身体を避け、そのせいでゴルゴの銃弾は外れてしまいます。
狙撃が失敗したゴルゴは特大の「!!」で驚き、焦ったゴルゴはもう一発発射しますが、それも外してしまいます。
こうしてターゲットのゴドノフと女は飛行機で飛び立ってしまいました。
狙撃に失敗したゴルゴは自分の銃に問題がないことを確認してCIAに出向きます。
「依頼人に二度と会わないという君の原則はどうなったんだ!?」
「なぜだ!?なぜ失敗した!?」
「きみの不敗伝説もこれまでだ・・・」
CIAに散々文句を言われた後にゴルゴは「なんとでもいってくれ。契約は守れなかったんだ。金は返す・・・」と言い、そして「ひとつだけ聞きたいことがある。標的ゴドノフに付き添っていた女は何者だ?」と質問します。
CIAが全力を上げて女の調査をしたところ、女の名前はアンナといい、なんとKGBのエスパーだということが判明。
アンナができるのは相手の心を読んだり、念力を使ったりなど。そして、一番の能力はテレパシーで離れた人の心を読むことができる点です。
アンナはこのテレパシーを使ってゴルゴの殺気を読み取り、ゴルゴの狙撃を神回避することに成功したのです。
ゴルゴはエスパーの存在に驚きますが、依頼を達成するために対策を練ります。
その対策が自己催眠をかけるという方法です。
ゴルゴはゴドノフが現れる場所に狙撃ポジションを取り、自己催眠をかけて自分の殺気を消して、ゴドノフが現れた瞬間、ゴルゴは覚醒し、見事ゴドノフを狙撃するのです。
自己催眠で自分の殺気を消していたため、アンナは直前までゴルゴの存在に気づくことができなかったのです。
このエピソードでの一番の見どころはやはり、ゴルゴが焦って2発目を撃つところでしょう。
いつも冷静なゴルゴがあそこまで焦るのですから、アンナは中々の強敵だったということがわかります。
ちなみに、本当に超能力者がいるかどうかはともかくとして、アメリカが超能力研究を行っていたのは事実です。
参考記事: スターゲイト・プロジェクト - Wikipedia
3. バイオニックソルジャー
ゴルゴ13第104巻「バイオニックソルジャー」はゴルゴファンの間で人気が高いエピソードです。
ペンタゴンは軍事プロジェクトとして、ライリーという世界最強の暗殺マシーンを作り上げます。
ライリーは、世界最強のテロリストと天才的な頭脳を持つアスリートの遺伝子を掛け合わせて誕生した、いわば人工的な人間なのです。
そんなライリーがゴルゴを倒すべくカンボジアの密林で待ちかまえます。
偽の依頼を受けてカンボジアの密林に降り立ったゴルゴ。
ゴルゴはすぐさまライリーの存在に気づき、ライリーの背後に狙撃ポジションを取り銃弾を発射するのですが、なんとライリーは驚異的な反射神経でこれを避けるのです。
あまりのスピードにさすがのゴルゴもめちゃくちゃ驚きます。
両者ともに体制を立て直し、撃ちあいになり、ここでもゴルゴの銃弾は外れ、ライリーの銃弾はゴルゴの左肩にヒット。
ライリーはただ身体を鍛えぬいただけではなくドーピングを使用しているため、身体能力が飛躍的に向上しており、だからこそゴルゴの銃弾は外れてしまったのです。
自分より強敵に出会ったゴルゴは一旦地下道に逃げ長期戦に持ち込むことにします。
しかし狙撃は失敗したもののそこはさすがゴルゴ。
ゴルゴはライリーの薬物使用を見抜くのです。
ゴルゴは相手を混乱させるために木を使ってわざと音を立てます。
ライリーが音の起点を探るために聴覚増幅剤のドーピングを使用すると、そのタイミングでゴルゴが花火のようなものを打ち上げあたりに爆音を響かせます。
ドーピングで聴覚がマックスになってたライリーは思わず「ギャアアァ――!!」と叫んでしまい、その瞬間を狙ってゴルゴはライリーを狙撃。
一旦は狙撃に失敗したものの、相手のドーピング使用を見抜き、それを巧みに利用するのはさすがとしか言いようがありません。
まとめ
以上の3つがゴルゴの代表的な狙撃失敗エピソードでした。
ゴルゴがすごいのは、狙撃に失敗した場合必ずその理由を分析し、最終的には仕事を完遂してしまう点です。
ゴルゴはミスに対するリカバリーが完璧なのです。
この仕事に対する姿勢はビジネスマンたちも見習うべきかもしれません。
ミスをしないことももちろん大事ですが、ミスをした時どうリカバリーするかもまた大事なのです。
ではでは。
以上、【ゴルゴ13】ゴルゴが狙撃失敗した3つのエピソード...でした。