要件を言おうか

カネとかジンセイとかいろいろ

行政書士受験生のモチベーションが上がる2冊

※本記事には広告が含まれています。
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これまで勉強をしてこなかった筆者からすれば、勉強のモチベーションを保ち続けることは実に困難だった。

特に行政書士の勉強を始めたばかりの頃の筆者は、その難易度の高さからまるで勉強が捗らず、怒りのあまり過去問集を殴りつけ、テキストを投げつけ、「こんなクソ問題わかるかオイ!!」と咆哮し、自身の無能さを出題者に責任転嫁する有様だった。

というわけで本記事では、筆者の勉強のモチベが上がった書籍2冊紹介しよう。
これらを読めば、勉強に四苦八苦してる人も今日から過去問集に暴行を働くことはなくなるだろう。

目次

 

①260万部売れた壮絶半生記

 


あまりにも有名なので知ってる人も多いであろう、大平さんの「だから、あなたも生きぬいて」。

本書は大平さんが弁護士になる前、どのように人生を歩んできたかが書かれているのだが、その半生が実に壮絶である。

大平さんは中学1年生の時、クラスのボス的な女子生徒に目をつけられてから人生が暗転する。
クラスの皆からの無視に始まり、聞こえるように悪口を言われる、机に卑猥な言葉が書き込まれる、用を足していたら上からバケツ一杯分の水を喰らう、など特に創造性もない安易ないじめが連日続いたそうだ。

耐えきれなくなった大平さんは登校拒否をし、親に相談し、学校側がとりあえずの対応をし、表面上はいじめは解決した。

大平さんが中学2年生になるといじめの首謀者だった女生徒とも別のクラスになり、新しいクラスでは親友と呼べる友達もできた。

これで大平さんは真っ当な学校生活を送れるようになるかと思ったが、当時生徒の家に女の声でいたずら電話がかかるという珍事件が流行ったことで、再び事態は暗転する。
なんと大平さんがその事件の犯人にされてしまったのだ。

よりショックだったのは、大平さんが親友だと思っていた人たちも、あっさり裏切り大平さんを犯人呼ばわりしたことだ。

いじめを受けたことよりも親友たちに裏切られたことがショックで、悔しさのあまり怒りのあまり、大平さんはその日のうちに怒りの遺書をしたためると、河原で割腹自殺を図る。

飛び降りや首吊りなどは自殺方法としてポピュラーだが、あえて割腹自殺を選択したところに大平さんの強い怒りが読み取れる。

幸い大平さんは一命を取り留めたが、この割腹自殺は世間に衝撃を与え翌日の朝刊の社会面トップを飾ることになる。

そこからは転がるようにどん底に落ちていく。
非行に走り、理解のない親に暴行を働き、16歳で極道の妻になり、その有様は誰の目から見ても「悲惨」の一語に尽きる。

そうした悲惨な生活を送ってる頃、父の友人である大平浩三郎と偶然会い、これが大平さんの運命を変える人生の分岐点だったと言えよう。

浩三郎氏は元来子供好きで世話焼きだったため、大平さんに根気よく説教と説得を繰り返す。
大平さんはこれまで自分の人生において、自分と真剣に向き合ってくれる大人はいなかった。しかし、浩三郎氏は真正面から自分と向き合ってくれる。
浩三郎氏の熱意にほだされ、最初は反抗的だった大平さんも態度を軟化させる。

そこから己の悲運な人生を変えるべく「何か資格を取ろう」と決意し猛勉強を始めるのだった。

まずは宅建を取り、その次は司法書士を取り、そして最後には最難関の司法試験に一発合格。
簡単に書いたがこれはとてつもない偉業で、そもそも大平さんは中卒であり、まともな学力を有していない中でこの結果を叩き出したのだ。

弁護士になった大平さんは、まるでかつての自分を救うかのように青少年問題に取り組み、非行少年の更生に尽力している。

いじめから人生が狂い、荒れに荒れた生活を送っていた中、法律の勉強をし、最難関の司法試験に受かり、どん底から這い上がった。
このわかりやすい勉強による逆転ストーリーは、きっと多くの法律資格の受験生の心を打つだろう。

 

②日本一有名な行政書士の回顧録

 


漫画「カバチタレ!」の原作者として知られる田島隆さんは、おそらく日本一有名な行政書士であろう。

田島さん自身は海事代理士、行政書士、そして漫画の原作者として活動する方だが、その半生は大平さん同様壮絶で、その有様が本書に克明に記されている。

田島さんは大平さん同様いじめられっ子だった。
だが、田島さんの場合は家にも逃げ場がなかった。

家族仲は常に悪く毎晩父母の口論が始まり、父の母に対する暴力で喧嘩の決着がつく。
すると母は八つ当たりで子供達に暴力をふるい、当時小学生だった田島少年は「痛い!お母ちゃんやめて!痛い!お願いじゃけんやめて!」と必死に訴えるが、子に手を上げる親がそんな訴えを聞き入れるわけがない。
田島少年は無抵抗のまま母親からボコボコにされ続けた。

学校ではいじめられ、先生からも見放され、家ですら気が休まる場所がない。

元々破綻した家族だったので、田島さんが中学3年生の時に親は離婚。田島さんは母親に引き取られ、生活保護を受けるようになった。

なんとか高校に行くことはできたものの、「あんたの生活保護費が出ない」という理由で、田島さんは家を追い出され、家賃1万円の風呂なしアパートに15歳で一人暮らしをする羽目になる。
無論生活費と学費は全て自分で稼がねばならない。

しかし、田島さんが通っていた学校はバイト禁止だったので、隠れてバイトすることになったが、やはり学業とバイトの折り合いがつかなくなり、高校2年の1学期に中退することになる。

そこから先はもう散々な人生だ。

いろいろな仕事を転々とし、20歳で結婚もしたが、逮捕されたり、結局離婚したり、借金取りに追われたり、波乱万丈すぎる転落人生を送る。
常に貧乏だった田島さんは近所の沼でザリガニを釣り、墓地からお供えのおはぎを盗り、山で竹の子などの野菜を採り、日々の飢えをしのいだそうだ。

そしてとうとう首が回らなくなり夜逃げ。一時ホームレスに身を落とすことになる。
そこで田島さんは考える。一体何故自分の人生はこんな有様なのか。どうして自分がこんな酷い目に遭うのか。
そこで気が付く。全ての原因はカネがなかったことではないかと。

いじめられたのも、家族が崩壊したのも、離婚したのも、逮捕されたのも、元を正せば全てカネがないことに起因してるじゃないかと。

田島さんは自身の不幸な経験から、どこか自分の人生を諦めていたらしく、不幸な出来事を「まあしょうがないか」と受け入れていた。
だが、この時初めて「これからはカネを稼いでやる!カネは稼がにゃいかん。稼がなにゃウソだ!!」と、向上心が芽生えたそうだ。

ドラマ「カバチタレ!」の1話で、会社に不当解雇された女性が、内容証明の1発で不払いだった給料を勝ち取るシーンが描かれるが、実はこれは田島さん自身が経験した実話なのだ。

不当なことをする社長に法律の力で一矢報いることができた田島さんは、ここで法律に興味を持つ。法律はすごい!法律は大人のケンカの武器だ!と。

そして司法書士の勉強を始め、結果的に司法書士ではなく海事代理士の試験を受けることにし見事一発合格する。
晴れて海事代理士となった田島さんは、六畳一間のアパートで海事代理士事務所を開業する。

しかし、海事代理士の仕事だけでは生活が安定しない。
そこで行政書士試験を受け続け4回目で合格。
海事代理士のみならず行政書士にもなることができた。
田島さんは20代後半で年収は1000万円を突破し、自分を苦しめた貧困から見事脱却してみせた。

本書は271ページあるが、200ページまでひたすら辛い内容となっている。
読みながら、「一体いつ人生が好転するんだ!」と心がざわついた。
田島さんの人生のターニングポイントは、ホームレスまで落ちぶれて、そこで初めて自分の人生を真剣に考えたことだろう。
そして、中卒にもかかわらず、死に物狂いで勉強して日本一有名な行政書士にまでなった、成り上がった。

田島さんの人生は筆者の人生と重なる部分も多く、読むのが辛くもあった。
だが、勉強することの意義をこれでもかというほど感じられる本なので、行政書士受験生には是非とも読んでほしい。

 

勉強しか人生を逆転する方法はない

 

思えば筆者の人生は常に金がなかった。
幼少期から今に至るまで、金に余裕があったことが一度もない。

筆者が中学生の頃親に、「高校に行くか、家から出ていくか選べ。高校に行くなら家にいてもいいがその学費は全て自分で払いなさい」と告げられた。
実にワンダフルな2択だが、木村拓哉ばりに「ちょ、待てよ」と言ったとて待ってくれる親ではない。

というわけで、消去法的に自力で学費を稼ぎ高校に行く道を選んだ。

金がないくせに私立の高校に行ったもんだからべらぼうに学費がかかった。
バイト代は全て学費に消えた。
学校に行く定期代を払う金もなかったから、錆び付いたオンボロチャリで毎日8駅分爆走していた。
昼飯代もままらないから、ファミマの115円の長いシュガースティックパンと、友人各位に乞食をし空腹を凌いだ。

筆者はこの経験から、「世の中は金だ!」との極端思考に至り、様々な金儲けに手を出す。が、全て失敗に終わるところが筆者の無能さたる所以である。クソボケが。
その顛末は大体ブログに書いてあるので、人の不幸をつまみに酒が飲みたい人は一読あれ♪

こうして愚かな失敗を繰り返し続け、愚かなしんま青年が出した結論は、「勉強しか人生を逆転する方法はない」であり、それが筆者が今行政書士の勉強に全力投球している理由である。

行政書士になれば金と白ギャルが空からわんさか降ってくると確信してる筆者からすれば、大平さんや田島さんの逆転ストーリーは希望そのものなのだ。

 

おわりに

 


毎日膨大な過去問と向き合いトイレに重要条文の付箋を貼り、時にテキストを殴りつけた甲斐もあってか、現時点で商法以外の分野はかなり理解が及んだ。

 

大平さんのように、あるいは田島さんのように、試験に合格して、くそったれな人生にケリをつけ、タワマンに住み、橋本環奈と結婚し、圧倒的なる人生の勝者になりたいものである。

行政書士受験生の皆様、共に頑張りましょう!