どうも、しんま13です。
ちょっと前に観た映画「冷たい熱帯魚」の感想を今更ですが書いていきます。
冷たい熱帯魚は「埼玉愛犬家連続殺人事件」という実際に起こった事件がベースの映画です。
この埼玉愛犬家連続殺人事件は、日本の犯罪史に残る残虐極まりない事件なので、当然それがベースとなっている本作はとてもグロテスクな内容になっています。
なので、一応閲覧注意。
グロ系が無理な方はブラウザバックしてください。
目次
- 映画「冷たい熱帯魚」の基本情報・予告編
- 映画「冷たい熱帯魚」の主要登場人物・キャスト情報
- 映画「冷たい熱帯魚」のあらすじ
- 映画「冷たい熱帯魚」のネタバレあり感想
- なぜ信行は凶行に至ったのか考察してみる
- 埼玉愛犬家連続殺人事件について
- 映画「冷たい熱帯魚」のチラシを入手しました
- まとめ&冷たい熱帯魚を無料で観る方法
映画「冷たい熱帯魚」の基本情報・予告編
映画「冷たい熱帯魚」の基本情報 | |
監督 | 園子温 |
脚本 | 園子温・高橋ヨシキ |
映画公開日 | 2011年1月29日 |
上映時間 | 146分 |
配給 | 日活 |
映画「冷たい熱帯魚」の主要登場人物・キャスト情報
● 吹越満(主演):社本信行(しゃもと のぶゆき)役
熱帯魚を扱う社本熱帯魚店の店主。
気弱であまり自分の思っていることを言わない性格が災いして家庭環境は悪い。
● 神楽坂恵:社本妙子役
信行の妻。後妻ということもあり、義理の娘美津子にどこか後ろめたさを感じている。
料理ができないのか、食事は全てレトルト食品。
● 梶原ひかり:社本美津子
信行の娘。後妻の妙子のことをよく思ってなく度々不快感を露わにしている。
スーパーで万引きをしてしまうくらい素行が悪い。
● でんでん:村田幸雄役
アマゾンゴールドという熱帯魚店を経営。
社本の熱帯魚店はいかにも個人経営っぽい小規模な店だが、村田のアマゾンゴールドは水族館と間違うくらいたくさんの魚を所有している巨大店舗。
社本の娘美津子が万引きを働いたことにより、社本と関係を持つようになった。
● 黒沢あすか:村田愛子役
村田幸雄の妻。非常に若く妖艶な女性。
一見優しそうな人かと思いきや、突然声を荒げたり、幸雄の殺人にも平気な顔で手を貸すサイコパスな一面がある。
● 渡辺哲:筒井高康役
幸雄の顧問弁護士。愛子と肉体関係にあり、幸雄の悪事にも手を貸す根っからの悪人。
映画「冷たい熱帯魚」のあらすじ
「社本熱帯魚」の店主を務める社本信行。
ある日、娘の美津子がスーパーで万引きを働く。
自分の娘が警察に逮捕されるという修羅場だったが、アマゾンゴールドという巨大な熱帯魚店を経営する村田が口を利いてくれたおかげで美津子は助かった。
この一件で村田夫妻と社本の交流が始まる。
お互い熱帯魚店を経営しているということもあってか意気投合。
社本は、娘の美津子を村田の店で働かせるくらい彼を信用していた。
しかし、実は村田はお金のために殺人を行う殺人鬼で、それを知ってしまった信行は徐々に彼の狂気性に引きずり込まれ、事態は取り返しのつかない結末へと向かっていく。
映画「冷たい熱帯魚」のネタバレあり感想
この映画を二言で表すと「狂気」と「エロス」の2つに集約されるでしょう。
村田幸雄の弁によれば、幸雄はこれまでお金目当てのために50人以上の人間を葬ってきたといいます。
それだけの大人数を殺害しただけあって、殺害の手順は実に洗練されています。
その手順は、まずターゲットに毒物を飲ませ毒殺。
幸雄専用の解体所に向かい、毒殺した遺体を風呂場に運び、ナタや包丁を駆使し幸雄と愛子で遺体を細かく切り刻んでいく。
切り刻んだ遺体を焼却処分。
余った肉片は川にばら撒き魚の餌にする。
焼却された遺体と骨は粉末状になり、この粉末を森にばら撒く。
これで、遺体は完全にこの世から姿を消す。
これが幸雄の殺人手順の一連の流れです。
警察も遺体が見つからない以上、殺人事件として捜査することができず、行方不明扱いになるだけです。
作中では、この遺体をバラバラにするシーンが克明に描かれています。
幸雄と愛子が返り血を浴びて身体中血まみれになりながら、笑顔を浮かべて楽しそうに遺体をバラバラにしていくその模様はまさに狂気。
幸雄が「ほら、これが人間の肝臓だよ」と、遺体から肝臓を取り出し信行に見せつけるシーンは、自分も観ていて吐き気がしました(汗)
そして、グロとエロは表裏一体と言わんばかりに、絡みのシーンが多く登場します。
幸雄の妻である愛子は、誰とでも寝るような女で、幸雄の顧問弁護士である筒井と愛人関係にあったり、店の女の子とレズプレイまがいのことをしたり、挙句の果てには幸雄が見てる前で信行と行為に及んだりと、とにかくめちゃくちゃ。
やりたい放題です。
現実世界にこんな女はいるんでしょうか笑
そして、映画の序盤、中盤はテンポよく話が進むのですが、ラスト30分の展開が混沌としすぎてて、あまりにもよくわからない終わり方で結末を迎えます。
正直、このラスト30分が本作を台無しにしてる気がします。
ラスト30分。具体的には、幸雄になじられまくった信行が激昂し、ペンで幸雄に反撃。めった刺しにします。
幸雄の「社本君!ちょっと痛い!!」と叫ぶシーンはちょっとツボでした。
そして、信行は幸雄を例の解体場まで運び、愛子と共に解体作業を始めるのです。
愛子は、自分の旦那が目の前で滅多刺しにされてるのに、驚くどころか、むしろ笑顔を浮かべています。
そして、解体作業を愛子に任せて、信行は美津子と一緒に家に帰り、妙子に「飯の用意をしろー!!」と怒りながら指示を出します。
信行は食事中に電話に出た奈美子に対してブチギレ暴行を加えたかと思いきや、今度は妙子を無理やり犯します。
もはや、気弱ながらとても優しかった信行の姿はそこにはありません。
そして信行は解体所に戻り、解体作業中の愛子を殺害。
駆けつけた警察、妙子と美津子。
すると、いきなり信行が持っていた包丁で妙子を刺し殺します。
信行が美津子に近づき、「一人で生きていきたいか?」と問いかけ、「生きたいよ!」と返す美津子。
その言葉を聞いた信行は包丁で自分を刺し自殺。
なんとも地獄絵図な光景ですが、美津子は「やっと死にやがったなクソジジイ・・・!」と言い放ち、作中で一番の笑い顔を見せてエンドロールが流れます。
なんだろう、この後半30分のカオスな展開と、ラストのチープさ・・・。
警察が現場にいたにも関わらず、あっさり妙子が殺されてしまうというツッコみどころしかないシーン。
信行がなぜラスト30分であそこまで暴走したのかは謎だし、そして美津子は目の前で自分の父と義理の母が死んでいるのに最高の笑顔を見せているし、なんなんでしょうこのスッキリしない感じ・・・。
中盤まではとても面白かったけどラストが「なんだかな〜」という感じなので、本作に点数をつけるとしたら100点満点中40点くらいですかね。
なぜ信行は凶行に至ったのか考察してみる
Amazonのレビューを見ても、ラストシーンはかなり酷評されています。
やはり、それだけ信行の行動が謎すぎて、視聴者の理解が追いつかなかったのでしょう。
気弱な性格だけど、とても優しかった信行。
そんな彼が、幸雄と愛子を刺殺、妙子に性的暴行を加えた後刺殺、美津子に暴行、そして最後には自殺。
意味不明すぎます。
なぜ信行はこんな凶行をするに至ったのでしょうか。
そこにはやはり、信行が抱えていたストレスが関係していたのだと思われます。
信行は自身の気弱な性格が災いしてか、奥さんに対してどこか距離を感じており、そして娘の美津子は非常に反抗的でした。
信行は妙子がタバコを吸っていても直接注意をする勇気がないし、美津子が食事中に彼氏と電話をしている時も注意ができませんでした。
美津子が万引きをした時だって、信行は親として何も言うことができなかったのです。
そんな気弱な男信行が幸雄と出会うわけです。
自分には全くなついていない娘が、幸雄にはなつく。
更には嫁さんまで幸雄に取られてしまう始末。
そんな幸雄に全人格を否定するようなことを言われたから、信行の中で何かが壊れてしまい、あの凶行に至ったのかもしれません。
そんな考察をしてみます。
埼玉愛犬家連続殺人事件について
前述した通り、「冷たい熱帯魚」は埼玉愛犬家連続殺人事件という実際に起こった事件がベースとなった映画です。
埼玉愛犬家連続殺人事件は1993年に埼玉県で発生した殺人事件。
容疑者はアフリカケンネルというペットショップを経営していた関根元と風間博子。
この二人は、詐欺まがいの商売を展開しており、そのせいで顧客とのトラブルは絶えず、揉めた顧客を次々と殺害していったのです。
この事件が世間の注目を浴びたのは、遺体の処理方法があまりにも残忍だったからです。
冷たい熱帯魚の作中でも遺体をバラすシーンがありますが、同じように、容疑者の二人は遺体を完全にこの世から消すために残忍極まりない解体作業を施すのです。
風呂場で遺体をバラバラに切り刻み、骨はドラム缶で焼却し、残った部位は山や川に廃棄。
よくもまあこんな悪魔みたいな所業を人間ができるものです。
しかも、風間博子は解体作業中に鼻歌を歌い、「楽しい、面白い」と語っていたと言われており、そのサイコパス度は計り知れません。
関根は殺人について、「ボディを透明にする」「殺しの世界ならオリンピック級」という犯罪史に残るであろう言葉を残しており、言動からその残忍さと狡猾さが伺えます。
冷たい熱帯魚の作中で幸雄は、ユーモアがあり人に取り入るのがうまく、そして時にはヤクザまがいの凄みを見せて、相手を巧みにコントロールする男でした。
埼玉愛犬家連続殺人事件においても、関根元は幸雄のように人間心理を読むのに長けた男だったようです。
この凶悪な事件は書籍化されているので、詳しく知りたい方はチェックしてみてください。
二人は1994年に逮捕されましたが、2017年の3月に関根元が収監された東京拘置所で病死。
享年75歳でした。元々心臓発作で倒れて治療をしていたので身体はとても弱っていたのです。
そして、風間博子は2018年現在も東京拘置所に死刑囚として収監されています。
映画「冷たい熱帯魚」のチラシを入手しました
せっかくブログに冷たい熱帯魚の感想を書いたので、映画のチラシも欲しくなってしまいメルカリで購入しました。
送料込みで300円でした。
吹越満さんのインパクトがすさまじいチラシですよね・・・。
まとめ&冷たい熱帯魚を無料で観る方法
残酷な殺人事件をベースにした映画だと「凶悪」があります。
こちらは一度当ブログで記事にしています。
参考記事: 【ネタバレ有】映画「凶悪」の感想。人の命を金に変える黒い錬金術師
自分はどうもこういう犯罪がベースの映画が好きみたいなのですが、それでも冷たい熱帯魚はちょっとハズレだったかなあ・・・。
ハズレの理由は、やっぱラストシーンがいまいちだったからです。
あのラストシーンで全てが台無しになってる感が半端ないです。
それと、グロシーンがちょっと無理だった・・・。
まあ、埼玉愛犬家連続殺人事件をベースにしてる時点でグロシーンは避けては通れないので仕方ないのですけどね。
冷たい熱帯魚はAmazonのプライムビデオで観ることができるので、よければこの機会にチェックしてみてください。
・ Amazonプライムビデオ無料体験
Amazonプライムは年間3900円(2019年5月17日以降からは4900円に値上げ)の有料サービスですがプライムビデオは30日間の無料体験があるので、その無料期間に視聴すればお金はかかりません。
30日が経過する前に解約してしまえば、0円で冷たい熱帯魚を視聴可能です。
よければぜひお試しください。
ではでは。
以上、【ネタバレあり】映画「冷たい熱帯魚」の感想と埼玉愛犬家連続殺人事件について...でした。