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【ネタバレ有】映画「悪の教典」あらすじ・感想。何故サイコキラーは誕生するのか?

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どうも、しんま13です。

自分は深夜に未解決事件や凶悪殺人事件のWikipediaを見ると止まらなくなるタイプの人間でして、そんなんだからクライム映画は大好きだったりします。

実際に起こった猟奇的事件を元にした映画もいくつか当ブログでレビューしています。

・ 【ネタバレあり】映画「冷たい熱帯魚」の感想と埼玉愛犬家連続殺人事件について

今回見た「悪の教典」も猟奇事件が題材です。
まあこちらは完全なるフィクションですが。

というわけで映画「悪の教典」の感想を書いていきます。

なお、「悪の教典」はAmazonのプライムビデオで視聴可能なので、気になる方はお試し期間を使って無料でチェックしてみてください。

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目次

 

映画「悪の教典」の基本情報・予告編

 


【監督】三池崇史
【脚本】三池崇史
【ジャンル】バイオレンス・ホラー
【公開日】2012年11月10日
【上映時間】128分

原作は 貴志祐介の小説「悪の教典」。
スピンオフドラマ化もされている。

 

映画「悪の教典」の主要登場人物・キャスト情報

 

※あまり物語に関与しない人物は省きます。

・ 伊藤英明: 蓮実 聖司役

32歳の英語教師。容姿も整っており気さくで生徒から「ハスミン」と呼ばれ慕われている。

・ 山田孝之: 柴原 徹朗役
体育科の教師兼生活指導部の教員。素行が悪く生徒からも嫌われている。
万引きをした女生徒を見つける否や脅迫し肉体関係を強要するクソやろう。

・ 吹越満: 釣井 正信役
数学科の先生。見た目と行動の気持ち悪さで生徒から嫌われている。
また、蓮見の完全無欠さに疑問を抱き、蓮見のことを探り始める。

・ 平岳大: 久米 剛毅役
美術の教師。同性愛者で男子生徒と関係を持つが、それを蓮見に知られ脅迫の材料にされてしまう。

・ 二階堂ふみ: 片桐 怜花役
女生徒。ボブの髪型でどこか暗い影を持つ。

・ 水野絵梨奈: 安原 美彌役
女生徒。万引きをしてるところを柴原に見つかり肉体関係を強要されている。

・ 浅香航大: 夏越 雄一郎役
男子生徒。蓮見に対して疑念を抱く

・ KENT: 蓼沼 将大役
不良生徒。

 

映画「悪の教典」のあらすじ

 

私立晨光学院町田高校に努める蓮見聖司は、男前な容姿で頭もよく気さくで生徒及び先生たちからも人気が高い。
だが、そんな私立晨光学院町田高校で蓮見に関わる人間が次々と死んでいく。

蓮見は何かおかしいと疑い始める者もいたが、すでに事態は取り返しのつかないとこまで進んでいくのである。

 

映画「悪の教典」ネタバレ感想

 

ザ・胸糞映画・・・!って感じの作品でした。

伊藤英明演じる教師の蓮実は、男前な上にとびきり優秀で、生徒と先生たちから慕われているのですが、その中身は殺戮に狂うサイコパス野郎。

作中では蓮見によって、無情にも次々と生徒たちが殺害されていきます。
そこには何のメッセージ性もなく、ひたすら蓮見のサイコパスっぷりが映し出されるのみです。

「悪の教典 AKB48の上映会」にて、大島優子が「私はこの映画が嫌いです」と言い残し涙を流しながら退場したという話があるのですが、この大島の行動に対して非難が殺到しました。

しかし自分はこの大島優子の気持ちがわかります。
なんせひたすら罪ない生徒の命が奪われていくのですから、見るのが辛い人は辛いでしょう。


ただ、胸糞映画とはいえ、胸糞映画の中では割と楽しめて見れた方です。

余計な説明が一切ないし、ストーリーが一貫してるし、テンポいいし。
なので、つまらないかと言えばそうではなく、それなりに楽しめた作品です。

1つ文句をつけるとするならば、人望が厚いイケメン教師が実は裏では殺戮を楽しむサイコキラーというギャップを演出するのであれば、もうちょっと蓮見の表の良い人の部分を描写する必要があったんじゃないかというところ。

表の部分の描写が少ないと、「蓮見が実は殺戮を楽しむサイコキラーでした」と言われても驚きは少ないです。

まあ2時間という尺では表の部分を描写するのは難しかったのかもしれませんが、そこが本作品の惜しい点です。

 

蓮見は何故人を殺すのか?その動機は?

 

主人公のイケメン教師、蓮見。

蓮見が何故人を殺すのかという殺人の動機に対する部分の説明は一切ありません。
ただ過去の回想シーンで友人と共に殺人を楽しんでいたシーンがありましたので、恐らく快楽殺人者。
まるでサッカーを楽しむ少年のような気持ちで殺人を楽しんでいるのでしょう。

とはいえ、ただ無意味に殺戮を繰り返してるわけではなく、蓮見の殺人対象となるのは、自分にとって邪魔な人間が基本。

自分の正体を探り始めた釣井先生、蓮見が仕掛けた盗聴器に気づく速水圭介、モンスターペアレントの父親、自分にとって不都合な人間たちを優先的に殺していくのです。

知性も高い蓮見ですが、その殺人方法は割と強引。

例えば、釣井先生は、人の目がある電車の中で撲殺しています。
しかも自殺に見せかけるために、電車のつり革に吊るして首吊り自殺のように偽装します。

確かに釣井先生が乗っていた電車は乗客が少なかったですが、それでも一応公共機関ですから人目に付くリスクが高すぎます。
首吊りに偽装するのもかなり強引です。(これを首吊り自殺として処理した警察は無能すぎでしょ)

また、蓮見は盗聴行為に気づいてしまった生徒の速水圭介を、学校の教室で殺害します。
これもめちゃくちゃ強引。

一回でも速水に大声出されたらその瞬間蓮見の殺人は露見してしまうハイリスクな場所だというのに、蓮見はそこらへん何も考えてないのか教室内で事を済ませるのです。

こんな感じで蓮見の殺害方法は強引かつ、突発的なものばかりなので、冷徹で知性の高い蓮見というキャラ設定がブレブレ。


物語後半で、蓮見がクラス生徒を皆殺しにした後警察に捕まるのですが、「神の声がした」と言い残します。

生き残った夏越がその様子を見て「狂ってる・・・」と絶句する中、同じく生き残った片桐が「違う。こいつはもう次のゲームを始めてるのよ」と、蓮見が精神異常者のフリをして罪を逃れようとしていることを見抜くのです。

結局、この結末からわかるようにも、蓮見にとって殺人は趣味でありゲームの一つに過ぎないのでしょう。

 

映画「悪の教典」のようなサイコキラーは実在する。その男「テッド・バンディ」

 

冒頭でも書きました通り、自分は未解決事件や凶悪殺人事件のWikipediaを見るのが好きです。

そこで、「悪の教典」を見て1人のあるサイコキラーを思い出しました。
その男の名は「テッド・バンディ」

テッドバンディはかなり有名な殺人鬼なので、おそらく名前を聞いたことがある人は多いかもしれません。

このテッドバンディという男は、頭脳明晰にして容姿端麗、誰がどこから見ても好青年。
犯罪者とは無縁そうに見える人物です。

バンディの表の顔は、ワシントン州の共和党員としてワシントン州知事選の選挙活動に参加したり、ボランティア活動に精を出していたり、溺れている子供救助して地元警察に表彰されたりと、欠点のつけようがないくらい良い人なのです。

しかしその本性は何十人もの女性に性的暴行を加え殺害するという、全米を震撼させた恐怖のサイコキラー。
被害者の数は確認されてるだけでも30人ですが、一説によれば100人以上の被害者がいたとも言われています。

それらの犯行が露見し、バンディは逮捕されます。
驚きなのが、バンディは弁護士に依頼せず、自分1人で弁論、弁護を行ったのです。

法廷に立つテッドバンディ

法廷に立つテッドバンディ

出典: テッド・バンディ - Wikipedia


知性の高いバンディだからこそできることでしょう。

1979年7月23日、バンディは電気椅子により処刑。
その時バンディは笑みを浮かべながら死んだと伝えられています。

バンディは生前こんな言葉を残しています。

僕は人間の生死を支配したかったんだ。
地上から1人2人消えたからって、それが一体何だっていうんだい?


犯罪史に残る凶悪なサイコキラー。
粗暴で乱暴な殺人鬼のイメージとはかけ離れ、甘いマスクと高い知性を備えたバンディは今でも人々の記憶に深く刻まれているのです。

テッド・バンディ―「アメリカの模範青年」の血塗られた闇 (上)

テッド・バンディ―「アメリカの模範青年」の血塗られた闇 (上)

 

 

悪の教典に登場した蓮見も、このバンディを思い起こさせます。

蓮見も容姿端麗で知性が高く皆から人気者。
しかしその本性は、人の命など何とも思わないサイコキラー。
自分にとって不都合な人間を次々と殺害していき、最終的には自分のクラスの生徒を猟銃で無慈悲に皆殺しです。
挙句の果てに、逮捕されたら精神異常者のフリをして罪から逃れようとするのですから始末に負えません。


蓮見やテッドバンディのような良心のかけらもないような殺人鬼に共通しているのは、大抵幼少期に辛い経験をしていることです。
バンディは私生子として生まれため父親は不明。
虐待されたわけでもないバンディですが、この自分の出生にひどく悩んだそうです。

映画では蓮見の幼少期の描写がほとんどなかったので、蓮見の幼少期の事情はわかりませんが、多分何らかの暗い影があったのではないかと思われます。

 

映画「悪の教典」をさらに楽しむために

 

本作「悪の教典」は原作があります。
それが以下。

 

悪の教典(上) (文春文庫)

悪の教典(上) (文春文庫)

 
悪の教典(下) (文春文庫)

悪の教典(下) (文春文庫)

 

 

また、漫画化もされているので、原作を小説じゃなくて漫画で読みたいという方はこちらをどうぞ。

 

悪の教典(1) (アフタヌーンコミックス)

悪の教典(1) (アフタヌーンコミックス)

 

 

さらに、悪の教典は映画公開に先駆けて、スピンオフドラマ「悪の教典 序章」が公開されています。

 

全4話で、映画では明かされなかった先生たちや生徒のストーリーが追加されています。

ちょっとだけ見ましたが、とにかく先生たちが腐敗しきっていました。ああ、この学校の先生たちはこんな腐っていたんだ...みたいな感想です(苦笑)

dマーケットにて全4話を公開しているので、よければチェックしてみてください。

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まとめ

 

胸糞映画なので、自分みたいにクライム映画好きではない限りわざわざ見る必要はないでしょう。

結局この映画にこれといったメッセージ性はないですし、見終わった後の余韻が最悪なので、見る人にとってはかなりの苦痛映画です。

もっとハッピーエンドで終わる映画を見た方がいいでしょう。
自分もどちらかというとハッピーエンドの映画が好きだし。

ではでは。

以上、【ネタバレ有】映画「悪の教典」あらすじ・感想。何故サイコキラーは誕生するのか?...でした。

 

悪の教典

悪の教典