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100人の女をモノにできる?ナンパ師の悪魔的なモテ戦略と深刻なパラドックス

※本記事には広告が含まれています。
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どうすれば魅力的な女性と付き合えるか。

それは全ての男にとって人生最大の難問だ。

プロナンパ師のミステリーが上梓した、「口説きの教典」は女を口説く上において、かなり重要な知見を示してくれているので、本記事では本書の知見をベースに書く。


一方、ナンパ師のテクニックは役に立つといえば役に立つが、その技法を突き詰めていくと、人生が破綻しかねない。そんなナンパ師の深刻なパラドックスも合わせて紹介したい。

目次

 

競争に勝てないオスに価値はない

 

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まず前提として知っておく必要があるのは、進化論的な観点からみれば、「オスは競争しメスは選択する」という事実だ。

オスはメスに選ばれるために、如何に自分が他のオスより優れているかをアピールし、メスは数多のオスの中から優秀なオスをパートナーに選択する。
つまり、選択権がメスにあるのだ。

なぜメスが選ぶ側に立てるのかといえば、生殖のコストの違いだ。
オスはただ精子を出すだけだが、メスはひとたび妊娠すれば多大なる負担が生じる。
すると、当然オスとメスで性戦略が変わってくる。
オスにとっては、「パートナーの数」が重要で、メスにとっては、「パートナーの質」こそが重要なのだ。

この戦略の違いこそが、メスは選択し、オスは競争するという、我々非モテにとっては受け入れがたい残酷な現実を生み出すというわけである。

無能な男は一切モテないが、無能な女は愛されるのもここに理由がある。
メンヘラ女にどこからともなく理解のある彼氏君が現れるが、男にはそんなファンタジーは起こり得ない。

そうなると、男は女に対して、「俺は価値が高い男である」と思わせる戦略を取る必要がある。
これが次の項で説明する「SR価値」だ。

【参考書籍】
オスとメスどちらが得か?

 

自らのSR価値を擬態せよ

 

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我々生物は「生存(Survival)」と「生殖(Reproduction)」に最適化されているのが進化論の通説である。
となれば、「SR価値」が高いと女に思わせることに成功すれば、必然的に女に選択されるようになる。なのでSR価値を高めるべし。
これがミステリーメソッドの基礎的な考えである。

SR価値を高める方法で手っ取り早いのは金持ちになることだ。

なぜなら、金はこの文明社会をサバイブする上で、必要不可欠なツール故に、金持ち=生存能力が高い、と判定されるからだ。
だから金持ちはモテる。腹立たしいほどモテる。紀州のドンファンは4000人の女を抱ける。
なので、モテたければ稼ごう。

とはいえ、この記事を読んでる人はそんなわかりきった結論など聞きたくもないだろうし、生活保護受給者よりも収入が低い筆者も、それには同意見だ。

なんとか努力しないで、金がなくてもSR価値を高める方法はないだろうか。
そんな怠惰に身を落とした我々に、ミステリーはSR価値を擬態する方法を伝授する。
それが以下だ。

【SR価値が高いと錯覚させる方法】
・他の女から事前選択されている(他にも良い感じの女がいると思わせる)
・リーダーであるように見える
・がっついていない
・彼女をネグする(いじる)
・興味深い知識を持っている
・気持ちの通じる会話ができる

※一部割愛してます。

どれも興味深い。
例えば、「他の女から事前選択されている」。

これは非常に説得力があって、かの有名な海外ドラマ「THE MENTALIST」で、主人公のパトリック・ジェーンも、「女性を信用させる手としては 結婚指輪をするか犬を飼うかだ」と語っている。

女性が、既婚者(事前選択されている男)を高評価するのは、「他の女に選ばれているのだから、多分良い男なんだろう」と考えるからだと思われる。

とあるウズラを使った実験では、ウズラのメスは、他のメスと仲良くしているオスを見ると、そのオスに魅力を感じることがわかっている。
オスが他のメスと仲良くしているからといって、そのオスの価値が高いことの証明にはならない。

だが、メスが良いオスを選ぶのには時間もエネルギーも要する。
だからこそ、他人が選んだオスを選ぶことで、思考の節約をしようとする。結果、事前選択されたオスがモテるという現象が発生するのだ。

一見、不合理的な行動のように見えて、そこには最小の労力で最大のリターンを得ようとするメスの強かさが窺える。

参考: 残念な「オス」という生き物/36p「生物の世界でも隣の芝生は青い」

これが、既婚者が不当に評価される理由だ。
※ただこれには諸説あり。なんたってウズラと人間は別種だしね。

となれば、非モテがこの方法論を使うなら、つい最近まで彼女がいたようなフリをして、女にアプローチをかけるべきなのだ。「別にぼく全然女に困ってませんけど?」という顔をするべきなのだ。

その他も個別に解説すると文字数が膨大なことになるので、簡単にまとめると、結局は「コミュ力」だ。

例えば彼女にネグするなんていうのは、コミュ力がないとできない。
※ネグとは、女をからかったり冗談を言ったりするナンパ師が使うオープナーの一種

興味深い知識を持てと言われても、その知識を面白おかしく伝えるのにだってコミュ力は欠かせない。
我々のような非モテが足りない頭で必死に知的アピールしようとしても、やたら早口になってステレオタイプのオタクみたいな振る舞いに終始してしまうだけだ。

難易度が高いかもだが、女にSR価値が高いと思わせるには、まずは女慣れをして、コミュ力に磨きをかけるべきだろう。

 

口説く順番を間違える非モテ

 

かの有名な画家ゴッホ。彼はロンドンの下宿先で恋に落ちる。相手は下宿屋の娘ウジェニー・ロワイエ。

ゴッホはウジェニーに対して9ヶ月間もの間恋心を抱き、確信する。「きっと彼女も自分のことを好きに違いない」と。

恋愛初心者はよくこの手の思考を展開してしまうものだが、大抵は勘違いなので、無残な失恋が待ち受けている。
筆者も過去の黒歴史がフラッシュバックする。

大いに勘違い思考を展開したゴッホはウジェニーに、「そろそろ結婚する時期じゃないだろうか」と、唐突にプロポーズをする。
結婚も何も、まだ付き合ってすらいない。いきなりステーキならぬいきなりプロポーズである。
無論、無下に断られる。ゴッホは諦めず猛アタックを続けるが、ことごとく撃沈する。

ミステリーに言わせてみれば、ゴッホは口説く順番を完全に間違えている。
いきなり告白してもうまくいくはずがないのだ。

ミステリーによれば、以下が女を口説く順番である。

1. 惹きつける(SR価値が高いと思わせて、興味を引く)
2. なごみを築く(信頼関係の構築)
3. 口説く(告白)


ゴッホは一番最後にしなければならないことを、一番最初にやってしまっている。

おそらくゴッホは信頼関係の構築には成功したと思われるが、最初に男として惹きつける行動を取っていなかったし、9ヶ月という長い期間もネックにもなっている。

女は男を一旦友達フォルダに入れてしまうと、その男に告白されても、友達としか見れず恋人関係を受け入れないことが多い。
つまり、9ヶ月間という期間で、ウジェニーがゴッホを友達フォルダに振り分けた可能性が考えられる。

恋愛心理学を研究している越智啓太氏の、「恋愛を科学する 出会いと別れをめぐる心理学」によれば、告白成功者の群と失敗者の群を比較すると、成功者は知り合ってから3ヶ月以内に告白しており、失敗者はゴッホのようにかなり月日が経ってから告白している。

参考: 恋愛の科学 出会いと別れをめぐる心理学/157p 出会ってからどのくらいで告白すれば成功するのか

ゴッホは口説く順番も間違えてる上に、告白のタイミングも見誤っている。
これではうまくいくはずがない。

ゴッホの失敗を教訓にすれば、我々非モテも多少は告白成功率は上がるだろう。

 

そもそもが間違ってるPUAの理論

 

アメリカではナンパ師を「PUA(ピックアップアーティスト)」と呼ぶ。
ナンパ師たちに言わせればナンパはアートなのだ。
そして、PUAのゴールは「セックスすること」だ。
それも、良い女とできるだけ多く。

ミステリーによれば、PUAは女を10点満点で採点する。
6点未満の女は相手にせず、できるだけ点数が高い女をモノにしようとする。

そうして生み出されたのが本記事でも書いたミステリーメソッドなわけだが、筆者はここに大いなる不快感を感じる。

ナンパ本を読めばわかるが、彼らPUAは女を自分の欲望を満たすための「モノ」として扱っている。

女に餌を与える、引っ掛ける、など出てくる文脈に女に対する敬意を全く感じられないし、点数付けをするのもどうかと思う。

ナンパ師界隈に目を通してみれば、大抵はプロフィールに何人の女とセックスしたかを記載していて、数が多ければ多いほどそれが実績となる。
また、非モテで童貞だったが、ナンパと出会ってから人生が変わったとくどくど書き連ね、最後に高額商材につなげようとする手合いも少なくない。

なんだか、実績をメガ盛りして再現性が低いゴミみたいな情報商材を売りさばき、左団扇で暮らしているどこぞのプロブロガー共が想起される。

品のない余談はともかく、ブログ界隈同様にナンパ師界隈もまあまあにお行儀がよろしくない。

そして一番問題なのは、PUAのテクニックは進化論的に優位性があるように見えるが、実は間違ってることだ。

「お前ここまで散々ナンパ師のテクニックを礼賛しといて、なんだよその手のひら返しは!だからお前はモテねーんだ!!」と、ここまで読んだ方は憤慨するかもだが、光があれば必ず闇があるように、PUAの闇に触れないのは物書きの端くれとして誠実とは言えないので、しばしお付き合い願いたい。

「たくさんの女とセックスする」というのは、できるだけ多くの遺伝子を残したいという男の本能なので、ナンパテクを学ぶのは一見進化論的に正しいように見えるが、一つ見落としている点がある。

それは我々人間は1人では生きていけないという事実だ。

我々人類は石器時代から、集団で生活をしていた。
文明が発達すると、一つの社会を作り上げ、政治が生まれ、科学が生まれ、集団の中で我々は現在の繁栄を手にした。
人間は社会性を持った生き物であり、決して1人だけで生きていくことはないし、生きていけない。

そんな集団で生活することが前提の生き物である我々の中に、次々と女を乗り換え短期的なセックスだけを追求し、何の責任も取らないPUAが紛れ込んだらどうなるか?
間違いなくコミュニティは崩壊する。

そのようなPUAを許してしまっては、自己中心的な者だけが不当な利益を得るのだから共同体のモラルが崩壊する。
だからこそ、不届き者は共同体から厳しく罰せられる。追放、あるいは殺されてしまうこともあるだろう。
言っておくが、石器時代には避妊具はない。

すると、共同体から追放されたPUAは己の生存が危ぶまれる。
自己中心的な短期的セックスの追求は、「己の子孫を繁栄させる」という観点から一見正しいように見えるが、生存が脅かされることを考えると、そうも言えないことがわかる。

なぜ我々人類が一夫一妻というパートナー形態に落ち着いたのか、その意味をPUAは全く理解できていない。

 

精神崩壊!PUAの深刻なパラドックス

 

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PUAたちは、セックスに持ち込むまでの技法には優れているが、その先については何の知識も有していないし、アドバイスする人もいない。
つまり、短期的な関係構築に関しては確かにプロフェッショナルだが、長期的な関係構築にはとことん疎いのだ。

だからか、至高のPUAミステリーも、本当の愛(長期的なパートナー)を求め、そして精神が崩壊した。

橘玲氏の、「裏道を行け ディストピア世界をhackする」で、PUAのパラドックスについて以下のように書かれている。

『ぼくは愛を証明しようと思う。』の主人公・渡辺は、恋愛工学を身に付けたことで複数の「Bクラス(得点が中くらいの女)」と交際できるようになった。
キャリアウーマンである玲子(Aクラス)を口説くことに成功し、次いでSクラスのモデル英里香と付き合い始める。
だが、玲子との関係を切ったことでセクハラだと訴えられ、会社をクビになってしまう。
何もかも失った渡辺は伊豆を旅行し、そこで出会った直子という素朴な女の子に惹かれ、「ひとりの女を愛すること」を学ぼうとするが・・・と話は展開する。

こうした事態は、PUAの間では「ナンパ師のパラドックス」と呼ばれている。100人を超える女をナンパすると、「出会う女はみな、使い捨てや交換が利く」ように感じてしまう。その結果、「ナンパ師として磨かれれば磨かれるほど、女への愛を失っていく」のだ。


出典: 裏道を行け ディストピア世界をHACKする/ 47p「ナンパ師のパラドックス」

ミステリーの影響を受けPUAになり、「ザ・ゲーム」の著者で知られるニール・ストラウスも、ナンパの弊害についてこう書いてる。

ナンパの副作用として、異性を見る目が変わってしまうという点があげられる
。あまりにも多くの裏切りや、嘘や、不貞を目にすることになるからだ。

もし女が結婚3年目かそれ以上なら、たいてい独身の女よりも簡単に落とせることが分かるだろう。
もし女に彼氏がいたら、あとで電話をもらうよりもその夜のうちにファックできる可能性の方が高いことがわかるだろう。
君も気づき始めているだろう。女とは、男と同じくらいワルなのだ。単に隠すのがうまいだけだ。


ちなみにニール・ストラウスも本当の愛を追求し、精神が崩壊している。

20代のうちならばナンパに明け暮れるのは悪くないかもしれないが、30代になってもナンパをし続けるのは狂気の沙汰だ。

このブログではくどく主張しているが、女が長期的なパートナーに選ぶのは資源を持っている男、つまり金持ちな男である。

いくら女を落とすテクがすごかろうと、いい歳して金もなく、ナンパに明け暮れ短期的な関係だけを追い求めていけば、それこそミステリーやニール・ストラウスのように精神が崩壊しかねない。

小田急殺傷事件を起こした36歳の男は、元ナンパ師だった。
20代のうちはナンパに明け暮れたそうだが、逮捕時の彼は家賃2万5000円のアパートで、収入源は生活保護費。
生活に困窮していたため、食料品や日用品を万引きしてたという。

どれだけ女を落とすテクニックが優れていようとも、これではどんな女にも長期的なパートナーに選ばれないだろう。
犯行の動機の一つに女性に対する強い憎悪があったという。自らモノ扱いした女に承認されないという強い怒り。
これが、PUAの成れの果てなのかもしれない。

橘氏の「裏道を行け ディストピア世界をhackする」では、さらに詳細にPUAの没落が書かれているので、参考にされたい。

 

おわりに

 

「女は守りなさい。女には優しくしなさい」と言われ続けて育ってきた筆者としては、ナンパ師の非倫理的なモテ戦略は、どうしても受け入れられるものではないが、彼らのテクニックが短期的な関係構築にはとても効くことは一つの事実だ。

我々にできることは、彼らPUAのやり口をある程度は参考にしつつ、あまり深追いしすぎず、極めて道徳的なモテ戦略に舵を切ることだろう。
それには、女を支えるだけの経済力が欠かせない。

男にとってモテは経済的成功がセットなのだ。

そのため、筆者は懲りずに事業に挑戦し、日々四苦八苦しているわけなのである。
いつか必ず金持ちになって、最高のパートナーを確保してやるのだと。
そう息巻いてより貧乏になり、より非モテになり、そしてその様を当ブログにアップし、世間様から後ろ指を指されている事実は、ここだけの話ではあるが。

とはいえ、別に凄まじき金持ちになる必要はない。筆者のように当たるかもわからない事業にチャレンジする必要もない。
2人である程度の生活水準を維持できるだけの収入があればいいのだ。

堅実に、誠実に、そして着実に、誰かを支えられるだけの収入源を確保できるよう、日々努力していこう。
間違っても軽薄なナンパ師共の高額商材に手を付ける真似だけはしないでほしい。

あと、経済的成功したいからといって、実績メガ盛り嘘松パクリ系クソブロガーの高額有料noteに課金するのも、やめておこう。多分、また一つ、この世にしょーもない憎悪が生まれてしまうから。

【その他参考にした資料】
・ 神戸新聞NEXT|連載・特集|話題|小田急線刺傷 自称・ナンパ師だった容疑者、事件の背景に「大学中退後のうっ屈」 小川泰平氏が解説
・    Erik von Markovik - Wikipedia(ミステリーのWiki)
・ トンデモ偉人伝 - 天才編